Sh2-274 メデューサ星雲(CANP2022ネタから)
すっかり季節外れですが、先日CANP2022でお話をしたナローバンド処理にちなんでがっつりNarrowとして撮影したメデューサ星雲をアップします。
【Sh2-274 メデューサ星雲】
デジカメやカラーCMOSでもよく写る対象ですが、NarrowBandにすると北東にHa領域が広がっていることがよくわかります。
またこの対象はO3もよく写るので、AOO合成(ただしGチャネルにはHaもブレンド)にすると青色が映えますね。
こちらの画像は、RGB撮影して星の色として合成しています。
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撮影データ
Title:Sh2-274
Optics:Vixen R200SS RED x エクステンダPH (f=1,120mm, F=5.6)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:R 180sec x14, G x13, B x14 <Bin2>
Ha 180sec x45 240sec x85
O3 180sec x27 240sec x98
Total Exposure:1071min
Date:2022/1/31他8夜 @UDAリモート天文台
こちらはずいぶん前にデジカメで撮影したメデューサ星雲です。
【Sh2-274 EOS6D SP4バージョン】
縦構図だったのでトリミングしています。鏡筒のF値も違いますし、撮影時間が10倍ほど違います(汗)
ただ露光時間をかけても色合いや写り方はこんな感じになるのでしょうね。
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撮影データ
Title:SH2-274
Optics:Edge HD 800 x Reducer (f=1400mm/F=7)
Camera:Canon 6D triming
Guide:OffAxis Guider / UltraStar/PHD guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO6400 240sec x 20
Date:2017/1/2
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さて、CANPではNarrowBand撮影についてのお話をしました。
その一つのテーマが「月夜にNarrow撮影 は定石?」でした。
結論といたしましては、
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月夜の撮影は、NarrowBandがおすすめ <当たり前ですが>
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明るい対象、Haが写しやすい
- ただし、がっつりやるなら暗夜でもNarrowBand撮影
(月夜と暗夜で比較したら、暗夜の写りっぷりの違いに感動!?)
ということで、私は月夜はもちろん、時期や対象によっては暗夜もNarrowBandで撮影をしています。
どのくらい写りっぷりが変わるのかを実際に撮影して比較しました。
1フレーム当たりの撮影時間の条件が異なるのですが、月夜と暗夜、HaとO3フィルターの写りにどのくらい違いがあるかを比較しています。
この2枚は、PixinsightのSTFでオートストレッチをした画像の比較です。
Haは月があっても結構写るのですが、特に右上に広がる淡いところの表現ができていないです。
O3はそもそもの写りがかなり違うような印象ですね。
ちゃんと(?)数値を使って比較したのがこちらです。
横軸はPixinsightのSubframe selectorで計測したSNR Weight値です。一応大きいほうがSN比が高いということで、写りがよいとなります。
縦軸にはNoise値を入れていて、低いほうがノイズも少ないとなります。
ストレッチする前のLightフレーム画像で比較しているのですが、暗夜は低ノイズですね。そして写りもいいことがわかります。
暗夜のNarrowBandの写りっぷりに感動?したこともあって、散光星雲はNarrowBandで暗夜でも撮影しています。
このお話はモノクロCMOSでのケースでしたが、カラーCMOSでの撮影となると、DualBandFilterを使うかどうかといった論点になるのでしょうか。
皆さんは暗夜でもNarrowBandで撮影されますか?
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