リモート天文台

2023年4月 9日 (日)

M63 (春の銀河祭りVol.2)

春の銀河祭り第2弾はM63 ひまわり銀河です。

この対象もこれまで何度か撮影してきました。Edge800 HDでの撮影が多かったので、R200SSで撮影したのは今年が初めてです。

SAc型の渦巻銀河で、花びらのような構造が美しいです。

 

【M63 ひまわり銀河】

M63-b 

気づけばL画像をかなりの枚数撮影してました(汗)

露光時間をかけるほどBlurXtermeterの効果を引き出せるように思います。

RGBも時間をかけて、PixinsightのSPCCを使い、銀河のカラーバランスを整えてから彩度をアップしています。

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Title:M63
Optics:Vixen R200SS RED x Extender PH (f=1,120mm, F=5.6)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain120/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 360secx58<Bin1>
R 360sec x17, G x16, B x16 <Bin2>
Total Exposure:612min
Date:2023/2/1,6,16,25 @UDAリモート天文台

 

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こちらの作品は、天文ガイドさん(2023年5月号)に掲載いただきました。

天文ガイドさんは久しぶりに入選できたのでうれしいです。ちなみに同じページには神野山がま口壊れ隊の天文中年さんのM81,82も掲載されていました。いつもながら流石の作品です。

他にも神野山がま口壊れ隊からは、すさみでリモート撮影をされているKさんのM51が、最優秀賞はNさんのM1が選出されていました。
皆様おめでとうございます!!

 

Tenga202305

 

評者の方からは、「銀河の周りには淡いタイダルストリームが広範囲に広がっているのが知られていて、機会があればリモート撮影を生かして挑戦してみてください」・・・とコメントをいただきました。

タイダルストリーム(?)ってあまり耳慣れない言葉だったので、ChatGPT先生に聞いてみました。

Tidalstreamgpt

なるほど。。Tidalとは、潮汐作用のことみたいですね。ということは、M51子持ち銀河やからす座のアンテナ銀河とか2つの銀河とかみたいに2つの銀河が接近することで起きるダスト(星の帯状構造)ということですね。勉強になりました。

ついでに、タイダルストリーム現象がある銀河をお勧めしてもらいました。銀河名がちょっとわかりにくいものが紛れてますが(笑)

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ムーンドロップ銀河(NGC 5985)
アンテナ銀河(NGC 4038/NGC 4039)
アトランティス座銀河(NGC 7252)
バタフライ銀河(NGC 6302)
サザンピンホール銀河(NGC 5128)
ウィップル銀河(NGC 7331)
セイファート銀河(NGC 5907)
NGC 4013銀河
NGC 4651銀河
NGC 6744銀河
NGC 7714銀河
IC 2163/NGC 2207銀河対
NGC 4676銀河対(「はしご銀河」)
NGC 3628銀河
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いろいろありそうですね。アンテナ銀河やステファンの5つ子とかはこれまでも撮影しましたが、マニアックな対象もいくつかあったので機会があったら撮影したいです。

 

そして、M63のタイダルストリームですが、今回撮影のL画像だけを強調したらこんな感じでした。

【M63 L画像 TidalStream】

M63-tidal-stream

M63の周りには今見える限り大きな銀河はなさそうです。過去に銀河が通ったのか?

確かに銀河の右側には「く」を左右反転させた筋や、銀河の下には引っ搔いたような暗黒帯としっぽのような筋があって不思議な形をした銀河だと思ってましたが、いろいろと奥深いですね。

 

なかなか難易度が高そうですね(汗) 30時間くらい撮影しないとだめかなぁ。

 

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2023年4月 2日 (日)

NGC2903 (春の銀河祭りVol.1)

昨年末にUDAリモートの機材を入れ替えて、春の銀河を撮影してきました。

鏡筒はR200SS x エクステンダー付、カメラはASI290MM Proです。

ブログの更新は滞ってましたが(汗)、晴れた夜は撮影を続けておりました。

1月は結構雪が積もったり、晴れていても雲が通過したりとなかなかすっきり晴れない日も多かったです。

それでも合計9夜は撮影できました。

 

【NGC2903】

Ngc2903crop

しし座の顔の先にあり、トップバッターで昇ってくるNGC2903(肉丸さん)です。

2本の腕と中心部の棒状部分が特徴です。

この対象は毎年撮影します。中心部がなかなか解像せず満足のいく作品に仕上がったことがなかったです。

今年は7時間半の撮影と画像処理ソフトの進歩もあっていい具合に解像してくれました。

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Title:NGC2903
Optics:Vixen R200SS RED x Extender PH (f=1,120mm, F=5.6)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain120/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 360secx41<Bin2>
R 300sec x8, G x8, B x8 <Bin2>
Ha420 x 13 <Bin2>
Total Exposure:457min
Date:2023/1/21,28,31,2/8,16 @UDAリモート天文台

 

ちなみにこの撮影をしたとき、フラットが全く合ってなくてL画像が悲惨なことになっていました。

N2903-l

41枚のL画像をDark/Flat処理後にIntegrationかけた結果です(笑)

L画像はBin2x2で撮影しました。ほかの対象では、Bin1x1のL画像のFlatは問題なしでしたが、2x2はちょっと手抜きでFlat撮影して枚数も少なかったのが原因かなぁと・・。

センサーのごみやらよくわからないウネウネが満載ですね。

この後フラットを取り直しております。

フラット装置やリモート制御はしていないので、撮影するときは日中に天文台のルーフをチョコ空けして天井フラットをとるか、曇った暗い夜(月がない、周りが暗い)にスカイフラットを撮影することが多いです。

システムを入れ替える前は、カラーカメラでスカイフラットを撮ったものがフィットしていたのですが、今回は天井フラットをその後の対象分では使っております。

 

こちらが撮り直しFlatを使ったL画像です。

N2903-lnewflat

ウネウネはマシになってますが、センサーのごみ?は途中で移動してしまったのか、きれいにとれていないですね。

(そのあとの撮影ではセンサーごみはうまく消えてくれています)

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2022年10月10日 (月)

網状星雲 モザイク合成

8月以来の更新です。。。

この夏はFSQ85-EDとASI2600 MC、RedCat51とASI294MM の同架2台体制でいろいろな対象を撮影していました。

画角的にはそれなりに広く取れるのですが、ちょっと中途半端?ということもあり、いくつかの領域でモザイク撮影をしました。

モザイク撮影をすると、画像処理が面倒なのですが、Astro Pixel Processerという新しいソフトを使い始めて、これまでよりもいい感じで合成ができるようになりました。

有償のツールなのですが、シンプルな使い勝手です。(いろんな機能はありますが私が使うのはモザイク関連機能だけです。普通にDark,FlatなどのCalibration処理の機能もあります)

モザイク手順とかの記事は別途の機会にということで(汗)、一つ目の対象となった網状星雲をアップします。

 

【網状星雲 Veil Nebula】

Veilnebula-blog

 

2パネルモザイクで、2つの撮像(カラーとモノクロ)での合成です。

それぞれのカメラで納めると、どうしても南の端っこが入りきらないので、泣く泣く?モザイク合成をすることにしました。

これで網状星雲全体を捉えた・・とやり切った感で満足しています。

 

【撮影データ】

Title:Veil Nebula
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:LeXtreme
North 240sec x 43
South 240sec x 32
Date:2022/6/4 7 @UDAリモート天文台

>>>
Optics:RedCat51(f=250mm/F=4.9)
Camera:ASI294 Pro 2x2 bin /Gain200/ -10d
Exposure:North H 240sec x 22 O x 21
Sorth H 240sec x 16 O x 16

 

 

【モノクロ画像・カラー画像 モザイク合成手順】

ざっくりの手順をとしては、

1.PixinsightでPreprocessing ここではCalibration、被り取りやPCCでの色合わせ、HTで少しだけ輝度を詰めます(ノンリニア画像へ)

2.モザイクする2枚のパネルのバックグランドは、HTでおおよそ輝度を合わせておきます(バックグランドノーマライズとかは、Astro Pixel Processer側でやっています)

3.それぞれのファイルをfits形式(32bit)で保存します。

4.Astro Pixel Processerでこの2枚の画像をモザイク合成します。これをカラー画像、モノクロ画像(フィルター別)に処理します。

5.Pixinsightでモノクロ画像とカラー画像をStar Alignmentをして合わせます。

6.モノクロ画像について、必要な場合はColor Combination合成します。Narrobandの場合はカラー画像や取り出したR、Bと合成します。

7.このあとはPisinsightやPhotoShopで画像を組み合わせて整えていきます。

 

という感じです。まぁまぁ面倒な手順ですね。

ちなみにつなぎ目の明るさは、Astro Pixel Processerの自動ノーマライズ機能でそれなりに合わせてくれますが、重ねるパネルが増えると輝度の違いが目立つことがあります。その時は、Pixinsightで少し輝度を触って合わせるようにしています。

ざっくりなので詳細がわかりにくいですが、時間があるときにもう少し手順を起こしてみたいです。

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2022年8月21日 (日)

さそり座  Barnard 42,44 / IC4602,4603,4604

さそり座のカラフルタウンの北側にある 青い反射星雲とバーナード暗黒星雲あたりです。

 

【Barnard 42,44 / IC4602,4603,4604】

Sco-barnard

 

定番構図の上半分? この構図ではアンタレスもM4も入っておりません

このあたりはBarnardがカタログに載せた暗黒星雲が各所に広がっています。

 

【Barnard 42 44】

Img_1601

 

Edward .E.Barnardさんが書いた、A Photographic Atlas of selected regions of the milkyway のChart13にスケッチされています。

あまり計画的に撮影はできていないのですが、いつかはこの冊子にある暗黒星雲をすべて撮影したいなぁと考えております。

 

ちなみに、この近辺で一番大きな暗黒星雲は、Pipe Nebula とも言われている

「 Barnard 59, 65–67, and 78」 LDN1733 です。

 

【 Barnard 59, 65–67, and 78】

Img_1600

 

もう8年前? にNewZealandに行ったときに、現地ではこの暗黒星雲一帯をKiwiと呼んでいるそうです。

食べるほうではなくて、動物のキウイに似ているからだそうですが。。

南半球では見た目が南北反対なので、Kiwiに見えるんですよね。

その時のBlogはこちら

また南半球にいって、星空を眺めたいですね。

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2022年8月20日 (土)

バンビの横顔 M24 Sh2-37(IC1284・1283)NGC6589・6590

いて座のスタークラウドのど真ん中 定番構図のバンビの横顔~首飾りです。

この対象は夏の定番構図ですね~。

 

【M24 Sh2-37 NGC6589 /90】

202206-bambi

どんな空でも? 短時間露光でも? それなりに写る対象ですし、時間をかけてもあまり結果が変わらないような気もします。

暗い空に行けば、肉眼でもバンビの横顔を認識することができます。

今回はASI2600MCの画像に、モノクロHaで撮った画像をブレンドしているので、やや顔が赤い酔っぱらいのバンビさんです。

 

撮影データ

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Title:バンビの横顔
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:240sec x 46 (Clear)
Date:2022/,6/2,3 @UDAリモート天文台

>>>
Optics:RedCat51(f=250mm/F=4.9)
Camera:ASI294 Pro 2x2 bin /Gain200/ -10d
Exposure:L 240sec x 30 Ha 240sec x 40

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2022年8月14日 (日)

M8 M20 定番構図(RGB Ha合成)

1か月半ぶりの投稿です。

撮影は続けているのですが、遠征と違って同じ対象を何日もにわたってちびちび撮影(1日1~2時間)するようになって画像処理がたまりがちです。

 

【リモート天文台 搭載システム変更】

 

リモート天文台での今夏の撮影システムは、短焦点2台載せとしました。(KASTECの同架プレート使用)

赤道儀:SXD2 (AXJは修理に出したため)

撮影システム:

鏡筒+カメラ①:FSQ85ED x Reducer + ASI 2600MCpro + LeXtreme or Clear Filter
鏡筒+カメラ②:RedCat51 + ASI 294MMpro +AstrodonFilter(LRGB HaO3S2)


ほぼ同じような画角となるので、パターンとしては

・FSQでカラー画像 + RedCatでL画像

・FSQでカラー画像(LeXtremeで星雲、Clearで星)+ RedCatでHaやナロー画像

といった撮影をするのが狙いです。

夏の定番対象をいくつか撮影しました。

 

【M8 M20 定番構図】

M8-m20-fsqredcat 

これは、FSQのカラー画像を中心に、RedCatのHa画像で味付け?をしたものです。

ちょっと処理過程の問題もあって、M8中心部が飽和美味ですね。

CMOSカラーカメラの処理はまだ慣れていなくて、どの程度強調していいのか迷いながらの処理となりました。

Haの協調は、PixinsightのPixelmath合成ではなくて、PhotoShopをつかってRチャネルの強調を行っています。

処理後の作品を見ると、M20の周りにある青い星雲部分もよく写っていますね。デジカメ(特にEOS6D解像)だと

なかなかこの青色表現がむつかしかったのですが、やはりカラーCMOSはバランスよくよく写ってくれます。

周りの天の川の濃い部分もなんとなく赤く写るのではなく、散光星雲の分布によって色合いが異なる表現ができてるかなぁ??

 

追伸:M8の赤色バランスは、大いに悩みますね。

   これを見るとずいぶん色合いが違っております。そして、やはり今回の作品は中心部が飽和していて失敗かな。

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Title:M8 M20
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:240sec x 51 20sec x 8
Date:2022/5/28 30,6/3 @UDAリモート天文台

>>>
Optics:RedCat51(f=250mm/F=4.9)
Camera:ASI294 Pro 2x2 bin /Gain200/ -10d
Exposure:L 240sec x 16 Ha 240sec x 40

 

 

 

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2021年12月24日 (金)

IC405 410 ぎょしゃ座の散光星雲

ぎょしゃ座の定番対象 IC405と410です。

この時?旬の対象ですが撮影はもう2か月前にしたものです。

私が持っているモノクロCMOSカメラのセンサー(1インチ、フォーサーズ)ですと、両方の星雲を捉えるには、それなりの画角(短めの焦点距離)が必要です。
フルサイズのデジカメだとあまり心配しなくてよかったのですが・・

今回はFSQ85x Reducer (焦点距離328mm)とASI294の組み合わせでうまく画角がハマりました。


【IC405 410 ぎょしゃ座の散光星雲】


Ic405-4102  

この405と410ですが、同じ赤色の散光星雲でも微妙に色合いが違うようです。
これまで撮影をしていたデジカメ(改造タイプ)だと、あまり違いが判らないのですが、
モノクロCMOSで撮影するとBチャンネルでの違いがあるのか、410(右側 まが玉)はちょっとマゼンダ系?
405(左側)は赤と中心部は青・緑の輝度が高くて白くなる。。といった感じですね。
最近はほぼモノクロで撮影する機会が多くなりました。手間暇はかかりますが、モノクロの良さを痛感しております!
(彗星とかはデジカメがもちろん第1選択肢ですが)

 

撮影データ

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Title:IC405 IC410
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 20 20sec x8
R 240sec x 16 , G x 13 ,B x 18
Exposure:Ha 300sec x 20
Total Exposure: 271min +100min (371min)
Date:2021/10/5 3:10-,10/6 0:50- ,10/7 23:48-,10/8 0:25- @UDAリモート天文台


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2021年12月17日 (金)

M31 毎年のルーチン アンドロメダ銀河

【M31 アンドロメダ銀河 FSQ-85 x Reducer /ASI294】

  20211001-m31-lrgb-fsqxrd-asi294-blog

なんだかんだ?で毎年撮影をしているアンドロメダ銀河です。

今年は最も露光時間を多くかけました。Haもたっぷりと・・

今回は合わせて7.5時間露光となりました。昔の画像とかを混ぜるともっと時間は稼げるのかもしれませんが

ここ数年はFSQ-85と1.1Flattnerを組み合わせてデジカメ(D810A)で撮影していたので、なかなかブレンドは

むつかしそうです。(フラットナーのおかげで4隅まで星が丸いです)

今回はASI294をつかったので、Reducerをつけての撮影です。

中心部の明るいとび具合が、これまでの中の作品では最もお気に入りです。

 

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Title:M31
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 45 R x 16 , G x 13 ,B x 14
Exposure:Ha 300sec x 19 (Bin x2)
Total Exposure: 352min + 95min (447min)
Date:2021/9/27 21:00- , 9/29 23:29-,10/1 21:03- @UDAリモート天文台

 

 

【M31 アンドロメダ銀河 epsilon130D /ASI294】

M31-ep130-asi183

こちらは後日鏡筒をε130Dに載せ替えてから撮影したものです。

画角的にはやや窮屈な感じですね。

1日3時間弱の撮影となりました。ちなみに赤いプチプチが欲しくて上のFSQで撮影したHa要素を合成しています。

画像処理に再現性がない?ためか、少し色の雰囲気も違います。バックグランドの色合いも異なるようですね。

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Title:M31
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 240sec x 11 20sec x8
R 240sec x 8 , G x 7 ,B x 8
Filter:Baader LRGB filter
Total Exposure: 165min
Date:2021/10/10 @UDAリモート天文台

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2021年11月 7日 (日)

秋の対象 Narrow三昧

9月末~10月は、晴れる日が多かったですね。夜の時間も長くなったこともあり1つの対象を長時間露光することができました。
RGBフィルターとNarrow Bandフィルターで撮影し、組み合わせをすることで作品の幅が広がります。

【IC1805 ハート星雲】

Ic1805-sao-aoo

これは、NarrowBandフィルターのみの撮影です。
赤くないハート💓で、この青や黄色でハートの中心部が表現できるのがNarrowBandの醍醐味ですね。
O3はとても淡いので、結構持ち上げて処理をしました。

 

撮影データ
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Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:Ha 300sec x 26 , O3 x 28 , S3 x 39
Total Exposure: 465min
Date:2021/9/22 9/24 @UDAリモート天文台

 

 

【NGC1499 カリフォルニア星雲】

Ngc1499-sho-aoo

ナローの定番 誰もが憧れるカリフォルニアレインボーです。

レインボー?にするには、赤い色が表現されないといけないのでしょうが、SAOとAOOの合成だと全体に赤くなるか、オレンジっぽくなるかという風にしか表現できませんでした。
これまでも、RGBとHaを組み合わせて作品にしたことがあります。RGBでは出ない構造がHaだとよくわかるのですが、今回S2でも撮影をしっところ、Haよりもさらに星雲の濃淡が解像していることがわかりました。
この作品は、S2をL情報(輝度)に使って仕上げています。
ちなみにRGBは星の表現に使いました。

 

撮影データ
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Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:R 240sec x 7 , G x 7 ,B x 7
Exposure:Ha 300sec x 34 , O3 x 26 , S3 x 24
Total Exposure: 84min +420min (504min)
Date:2021/10/1 ,10/2,10/3,10/4,10/5@UDAリモート天文台

 

 

【Cas Gamma IC59 63】

Ic59_63

最後はカシオペア座のWの真ん中にあるγ星の反射星雲です。
こちらはRBGやデジカメでもよく写る対象ですね。今回はHaとO3のフィルターで反射星雲、散光星雲の部分を強調しました。ちょっと地味に星の下に星雲が沈んでますが、ぐるりと取り囲んでいる様子がわかります。
もうちょっと星雲の部分はダイナミックに仕上げてもよかったかも。。
RGBは星の部分に使用しました。

 

撮影データ
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Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 22 30sec x8
R 240sec x 13 , G x 13 ,B x 14
Exposure:Ha 240sec x 18 , O3 x 12 (2x2 bin)
Total Exposure: 264min +80min (346min)
Date:2021/10/6,10/7,10/8  @UDAリモート天文台


この時期は、天の川近辺を中心に、Narrow Bandにぴったりの対象がたくさんあって楽しいですね。

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2021年10月17日 (日)

月夜のナローバンド

リモート天文台での撮影がようやく軌道にのってきました。

8月末に撮影が開始できました。

月夜(下弦)ということもあり、夜半まではRGBで、でもって、月が出るとNarrowBandで撮影という状況でスタートしました(笑)


【NGC7822】

★RGBバージョン★

 Ngc7822-new-rgb-l

「クエスチョン」の、上の部分「クエスチョ」です。これ、RGBで撮影したら何気に淡いですね。

デジカメでも何度か撮影をした対象です。

少し離れたところに「?」 の「.」マークがあるのですが、この画角では入りません。

気づけば結構な露光時間(L 300sec x 20 R x 11 , G x 11 ,B x 12 →合計露光時間270分)をかけています。

その割には淡いから、はっきりしない感じの仕上がりです。

北側はやや明るいこともあり、時間をかけないとS/N比は改善しないのでしょう。

 

月が出ている間は、ナローバンドを撮影しました。

さすがに「ド」満月の日はナローでもSN比を上げるのはむつかしいですが、とにかく枚数を稼ごうと晴れたら撮影を繰り返してました。

 

★ナローバージョン★

Ngc7822-sao-aoo-rgbblog

 

デジカメだと赤色1色ですが、NarrowBandでSAO+AOO 合成するとレインボーな色合いになります。

星雲中心部の構造がよくわかります。これがNarrowの醍醐味ですねぇ。

そもそもNarrowBandの色合いについては様々な意見があり、本来の色ではないということになるのですが、こんな風に星雲で輝いている部分が異なった波長を出している様子がわかるのは興味深いです。

Narrow Bandの画像処理は、
1.SAO合成 カラーシフト(PhotoShop)
2.AOO合成 カラーバランスの調整 x 上位レイアで20%合成
3.RGB合成 星の色を変更

といった流れで行いました。

 

撮影データ

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Title:NGC7822
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 300sec x 20 R x 11 , G x 11 ,B x 12
Exposure:Ha x 41 , O3 x 45 , S3 x 28
Total Exposure: 270min + 570min (840min)
Date:2021/8/30 9/1,9/6,9/9 @UDA

 

このように、軌道に乗り始めたリモート撮影。9月の終わりから、10月の初めにかけてとても天気が良かったです。

晴耕雨読ではなくて、晴撮雨処?で、晴れたら撮ろうということで連日撮影をしてました。

おかげで雨の日にやる画像処理が進んでいません(汗)

 

 

【星ナビ 11月号に掲載されました】

リモート天文台運用前に撮影したクワガタ星雲付近のNarrow Band作品を星ナビ11月号に掲載していただきました。

長い梅雨、8月の天候不順も続き、晴れたのは満月期ということもあってか、星ナビはNarrow作品が多数掲載されていました。

天文ガイドはDeepSkyの作品が少なめでしたね。全国的に撮影がむつかしかったのかなと推察します。

 

【Sh2-157 159 161 NGC7635(星ナビ 2021年11月号 掲載作品】

 

Sh2157-ngc7635-m52blog

 

クワガタ星雲~バブル星雲~M52 付近です。

定番構図ですし、最近はL-eXtremeフィルターのような、HaとOIIIの2つの波長を透過するデュアルバンドフィルターでの撮影も増えてますね。(その場合はクワガタのハサミの部分は白色になるようです)

撮影データ

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Title:Sh2-157 159 161 NGC7635
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50ED・ASIAIR Pro
Exposure:Ha 240sec x 19/ O3 240sec x 22/ S2 240sec x 18 Astrodon Fitler
Date:2021/8/7 22:30~@Konoyama

 

【WR134】

Rgb-hoo-blog

 

同時期に撮影した、白鳥座のγ星(Sadr)のη星の間にあるWolf-Rayet星とその周りにある反射星雲です。

HaとO3で撮影し、AOO合成をしました。

クレセント星雲(NGC6888)を照らしているWR136と同じように、超新星爆発直前?の星で太陽の何十万倍も明るい(絶対等級)星です。

この星雲は海外では、RingNebulaと呼ばれていて・・リングというよりは三日月なのですが、淡く円形に広がっているようでその姿を捉えるのはもっと露光時間が必要です。

実はこの対象を本命として応募しましたが、クワガタ星雲のほうを掲載いただけました。

晴れないといいながら・月夜でも撮影できるNarrowBand撮影に結構はまっております。リモート天文台で撮影したもの処理をしたらアップしていきたいです。

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