リモート天文台

2022年10月10日 (月)

網状星雲 モザイク合成

8月以来の更新です。。。

この夏はFSQ85-EDとASI2600 MC、RedCat51とASI294MM の同架2台体制でいろいろな対象を撮影していました。

画角的にはそれなりに広く取れるのですが、ちょっと中途半端?ということもあり、いくつかの領域でモザイク撮影をしました。

モザイク撮影をすると、画像処理が面倒なのですが、Astro Pixel Processerという新しいソフトを使い始めて、これまでよりもいい感じで合成ができるようになりました。

有償のツールなのですが、シンプルな使い勝手です。(いろんな機能はありますが私が使うのはモザイク関連機能だけです。普通にDark,FlatなどのCalibration処理の機能もあります)

モザイク手順とかの記事は別途の機会にということで(汗)、一つ目の対象となった網状星雲をアップします。

 

【網状星雲 Veil Nebula】

Veilnebula-blog

 

2パネルモザイクで、2つの撮像(カラーとモノクロ)での合成です。

それぞれのカメラで納めると、どうしても南の端っこが入りきらないので、泣く泣く?モザイク合成をすることにしました。

これで網状星雲全体を捉えた・・とやり切った感で満足しています。

 

【撮影データ】

Title:Veil Nebula
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:LeXtreme
North 240sec x 43
South 240sec x 32
Date:2022/6/4 7 @UDAリモート天文台

>>>
Optics:RedCat51(f=250mm/F=4.9)
Camera:ASI294 Pro 2x2 bin /Gain200/ -10d
Exposure:North H 240sec x 22 O x 21
Sorth H 240sec x 16 O x 16

 

 

【モノクロ画像・カラー画像 モザイク合成手順】

ざっくりの手順をとしては、

1.PixinsightでPreprocessing ここではCalibration、被り取りやPCCでの色合わせ、HTで少しだけ輝度を詰めます(ノンリニア画像へ)

2.モザイクする2枚のパネルのバックグランドは、HTでおおよそ輝度を合わせておきます(バックグランドノーマライズとかは、Astro Pixel Processer側でやっています)

3.それぞれのファイルをfits形式(32bit)で保存します。

4.Astro Pixel Processerでこの2枚の画像をモザイク合成します。これをカラー画像、モノクロ画像(フィルター別)に処理します。

5.Pixinsightでモノクロ画像とカラー画像をStar Alignmentをして合わせます。

6.モノクロ画像について、必要な場合はColor Combination合成します。Narrobandの場合はカラー画像や取り出したR、Bと合成します。

7.このあとはPisinsightやPhotoShopで画像を組み合わせて整えていきます。

 

という感じです。まぁまぁ面倒な手順ですね。

ちなみにつなぎ目の明るさは、Astro Pixel Processerの自動ノーマライズ機能でそれなりに合わせてくれますが、重ねるパネルが増えると輝度の違いが目立つことがあります。その時は、Pixinsightで少し輝度を触って合わせるようにしています。

ざっくりなので詳細がわかりにくいですが、時間があるときにもう少し手順を起こしてみたいです。

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2022年8月21日 (日)

さそり座  Barnard 42,44 / IC4602,4603,4604

さそり座のカラフルタウンの北側にある 青い反射星雲とバーナード暗黒星雲あたりです。

 

【Barnard 42,44 / IC4602,4603,4604】

Sco-barnard

 

定番構図の上半分? この構図ではアンタレスもM4も入っておりません

このあたりはBarnardがカタログに載せた暗黒星雲が各所に広がっています。

 

【Barnard 42 44】

Img_1601

 

Edward .E.Barnardさんが書いた、A Photographic Atlas of selected regions of the milkyway のChart13にスケッチされています。

あまり計画的に撮影はできていないのですが、いつかはこの冊子にある暗黒星雲をすべて撮影したいなぁと考えております。

 

ちなみに、この近辺で一番大きな暗黒星雲は、Pipe Nebula とも言われている

「 Barnard 59, 65–67, and 78」 LDN1733 です。

 

【 Barnard 59, 65–67, and 78】

Img_1600

 

もう8年前? にNewZealandに行ったときに、現地ではこの暗黒星雲一帯をKiwiと呼んでいるそうです。

食べるほうではなくて、動物のキウイに似ているからだそうですが。。

南半球では見た目が南北反対なので、Kiwiに見えるんですよね。

その時のBlogはこちら

また南半球にいって、星空を眺めたいですね。

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2022年8月20日 (土)

バンビの横顔 M24 Sh2-37(IC1284・1283)NGC6589・6590

いて座のスタークラウドのど真ん中 定番構図のバンビの横顔~首飾りです。

この対象は夏の定番構図ですね~。

 

【M24 Sh2-37 NGC6589 /90】

202206-bambi

どんな空でも? 短時間露光でも? それなりに写る対象ですし、時間をかけてもあまり結果が変わらないような気もします。

暗い空に行けば、肉眼でもバンビの横顔を認識することができます。

今回はASI2600MCの画像に、モノクロHaで撮った画像をブレンドしているので、やや顔が赤い酔っぱらいのバンビさんです。

 

撮影データ

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Title:バンビの横顔
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:240sec x 46 (Clear)
Date:2022/,6/2,3 @UDAリモート天文台

>>>
Optics:RedCat51(f=250mm/F=4.9)
Camera:ASI294 Pro 2x2 bin /Gain200/ -10d
Exposure:L 240sec x 30 Ha 240sec x 40

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2022年8月14日 (日)

M8 M20 定番構図(RGB Ha合成)

1か月半ぶりの投稿です。

撮影は続けているのですが、遠征と違って同じ対象を何日もにわたってちびちび撮影(1日1~2時間)するようになって画像処理がたまりがちです。

 

【リモート天文台 搭載システム変更】

 

リモート天文台での今夏の撮影システムは、短焦点2台載せとしました。(KASTECの同架プレート使用)

赤道儀:SXD2 (AXJは修理に出したため)

撮影システム:

鏡筒+カメラ①:FSQ85ED x Reducer + ASI 2600MCpro + LeXtreme or Clear Filter
鏡筒+カメラ②:RedCat51 + ASI 294MMpro +AstrodonFilter(LRGB HaO3S2)


ほぼ同じような画角となるので、パターンとしては

・FSQでカラー画像 + RedCatでL画像

・FSQでカラー画像(LeXtremeで星雲、Clearで星)+ RedCatでHaやナロー画像

といった撮影をするのが狙いです。

夏の定番対象をいくつか撮影しました。

 

【M8 M20 定番構図】

M8-m20-fsqredcat 

これは、FSQのカラー画像を中心に、RedCatのHa画像で味付け?をしたものです。

ちょっと処理過程の問題もあって、M8中心部が飽和美味ですね。

CMOSカラーカメラの処理はまだ慣れていなくて、どの程度強調していいのか迷いながらの処理となりました。

Haの協調は、PixinsightのPixelmath合成ではなくて、PhotoShopをつかってRチャネルの強調を行っています。

処理後の作品を見ると、M20の周りにある青い星雲部分もよく写っていますね。デジカメ(特にEOS6D解像)だと

なかなかこの青色表現がむつかしかったのですが、やはりカラーCMOSはバランスよくよく写ってくれます。

周りの天の川の濃い部分もなんとなく赤く写るのではなく、散光星雲の分布によって色合いが異なる表現ができてるかなぁ??

 

追伸:M8の赤色バランスは、大いに悩みますね。

   これを見るとずいぶん色合いが違っております。そして、やはり今回の作品は中心部が飽和していて失敗かな。

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Title:M8 M20
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:240sec x 51 20sec x 8
Date:2022/5/28 30,6/3 @UDAリモート天文台

>>>
Optics:RedCat51(f=250mm/F=4.9)
Camera:ASI294 Pro 2x2 bin /Gain200/ -10d
Exposure:L 240sec x 16 Ha 240sec x 40

 

 

 

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2021年12月24日 (金)

IC405 410 ぎょしゃ座の散光星雲

ぎょしゃ座の定番対象 IC405と410です。

この時?旬の対象ですが撮影はもう2か月前にしたものです。

私が持っているモノクロCMOSカメラのセンサー(1インチ、フォーサーズ)ですと、両方の星雲を捉えるには、それなりの画角(短めの焦点距離)が必要です。
フルサイズのデジカメだとあまり心配しなくてよかったのですが・・

今回はFSQ85x Reducer (焦点距離328mm)とASI294の組み合わせでうまく画角がハマりました。


【IC405 410 ぎょしゃ座の散光星雲】


Ic405-4102  

この405と410ですが、同じ赤色の散光星雲でも微妙に色合いが違うようです。
これまで撮影をしていたデジカメ(改造タイプ)だと、あまり違いが判らないのですが、
モノクロCMOSで撮影するとBチャンネルでの違いがあるのか、410(右側 まが玉)はちょっとマゼンダ系?
405(左側)は赤と中心部は青・緑の輝度が高くて白くなる。。といった感じですね。
最近はほぼモノクロで撮影する機会が多くなりました。手間暇はかかりますが、モノクロの良さを痛感しております!
(彗星とかはデジカメがもちろん第1選択肢ですが)

 

撮影データ

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Title:IC405 IC410
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 20 20sec x8
R 240sec x 16 , G x 13 ,B x 18
Exposure:Ha 300sec x 20
Total Exposure: 271min +100min (371min)
Date:2021/10/5 3:10-,10/6 0:50- ,10/7 23:48-,10/8 0:25- @UDAリモート天文台


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2021年12月17日 (金)

M31 毎年のルーチン アンドロメダ銀河

【M31 アンドロメダ銀河 FSQ-85 x Reducer /ASI294】

  20211001-m31-lrgb-fsqxrd-asi294-blog

なんだかんだ?で毎年撮影をしているアンドロメダ銀河です。

今年は最も露光時間を多くかけました。Haもたっぷりと・・

今回は合わせて7.5時間露光となりました。昔の画像とかを混ぜるともっと時間は稼げるのかもしれませんが

ここ数年はFSQ-85と1.1Flattnerを組み合わせてデジカメ(D810A)で撮影していたので、なかなかブレンドは

むつかしそうです。(フラットナーのおかげで4隅まで星が丸いです)

今回はASI294をつかったので、Reducerをつけての撮影です。

中心部の明るいとび具合が、これまでの中の作品では最もお気に入りです。

 

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Title:M31
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 45 R x 16 , G x 13 ,B x 14
Exposure:Ha 300sec x 19 (Bin x2)
Total Exposure: 352min + 95min (447min)
Date:2021/9/27 21:00- , 9/29 23:29-,10/1 21:03- @UDAリモート天文台

 

 

【M31 アンドロメダ銀河 epsilon130D /ASI294】

M31-ep130-asi183

こちらは後日鏡筒をε130Dに載せ替えてから撮影したものです。

画角的にはやや窮屈な感じですね。

1日3時間弱の撮影となりました。ちなみに赤いプチプチが欲しくて上のFSQで撮影したHa要素を合成しています。

画像処理に再現性がない?ためか、少し色の雰囲気も違います。バックグランドの色合いも異なるようですね。

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Title:M31
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 240sec x 11 20sec x8
R 240sec x 8 , G x 7 ,B x 8
Filter:Baader LRGB filter
Total Exposure: 165min
Date:2021/10/10 @UDAリモート天文台

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2021年11月 7日 (日)

秋の対象 Narrow三昧

9月末~10月は、晴れる日が多かったですね。夜の時間も長くなったこともあり1つの対象を長時間露光することができました。
RGBフィルターとNarrow Bandフィルターで撮影し、組み合わせをすることで作品の幅が広がります。

【IC1805 ハート星雲】

Ic1805-sao-aoo

これは、NarrowBandフィルターのみの撮影です。
赤くないハート💓で、この青や黄色でハートの中心部が表現できるのがNarrowBandの醍醐味ですね。
O3はとても淡いので、結構持ち上げて処理をしました。

 

撮影データ
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Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:Ha 300sec x 26 , O3 x 28 , S3 x 39
Total Exposure: 465min
Date:2021/9/22 9/24 @UDAリモート天文台

 

 

【NGC1499 カリフォルニア星雲】

Ngc1499-sho-aoo

ナローの定番 誰もが憧れるカリフォルニアレインボーです。

レインボー?にするには、赤い色が表現されないといけないのでしょうが、SAOとAOOの合成だと全体に赤くなるか、オレンジっぽくなるかという風にしか表現できませんでした。
これまでも、RGBとHaを組み合わせて作品にしたことがあります。RGBでは出ない構造がHaだとよくわかるのですが、今回S2でも撮影をしっところ、Haよりもさらに星雲の濃淡が解像していることがわかりました。
この作品は、S2をL情報(輝度)に使って仕上げています。
ちなみにRGBは星の表現に使いました。

 

撮影データ
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Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:R 240sec x 7 , G x 7 ,B x 7
Exposure:Ha 300sec x 34 , O3 x 26 , S3 x 24
Total Exposure: 84min +420min (504min)
Date:2021/10/1 ,10/2,10/3,10/4,10/5@UDAリモート天文台

 

 

【Cas Gamma IC59 63】

Ic59_63

最後はカシオペア座のWの真ん中にあるγ星の反射星雲です。
こちらはRBGやデジカメでもよく写る対象ですね。今回はHaとO3のフィルターで反射星雲、散光星雲の部分を強調しました。ちょっと地味に星の下に星雲が沈んでますが、ぐるりと取り囲んでいる様子がわかります。
もうちょっと星雲の部分はダイナミックに仕上げてもよかったかも。。
RGBは星の部分に使用しました。

 

撮影データ
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Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 22 30sec x8
R 240sec x 13 , G x 13 ,B x 14
Exposure:Ha 240sec x 18 , O3 x 12 (2x2 bin)
Total Exposure: 264min +80min (346min)
Date:2021/10/6,10/7,10/8  @UDAリモート天文台


この時期は、天の川近辺を中心に、Narrow Bandにぴったりの対象がたくさんあって楽しいですね。

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2021年10月17日 (日)

月夜のナローバンド

リモート天文台での撮影がようやく軌道にのってきました。

8月末に撮影が開始できました。

月夜(下弦)ということもあり、夜半まではRGBで、でもって、月が出るとNarrowBandで撮影という状況でスタートしました(笑)


【NGC7822】

★RGBバージョン★

 Ngc7822-new-rgb-l

「クエスチョン」の、上の部分「クエスチョ」です。これ、RGBで撮影したら何気に淡いですね。

デジカメでも何度か撮影をした対象です。

少し離れたところに「?」 の「.」マークがあるのですが、この画角では入りません。

気づけば結構な露光時間(L 300sec x 20 R x 11 , G x 11 ,B x 12 →合計露光時間270分)をかけています。

その割には淡いから、はっきりしない感じの仕上がりです。

北側はやや明るいこともあり、時間をかけないとS/N比は改善しないのでしょう。

 

月が出ている間は、ナローバンドを撮影しました。

さすがに「ド」満月の日はナローでもSN比を上げるのはむつかしいですが、とにかく枚数を稼ごうと晴れたら撮影を繰り返してました。

 

★ナローバージョン★

Ngc7822-sao-aoo-rgbblog

 

デジカメだと赤色1色ですが、NarrowBandでSAO+AOO 合成するとレインボーな色合いになります。

星雲中心部の構造がよくわかります。これがNarrowの醍醐味ですねぇ。

そもそもNarrowBandの色合いについては様々な意見があり、本来の色ではないということになるのですが、こんな風に星雲で輝いている部分が異なった波長を出している様子がわかるのは興味深いです。

Narrow Bandの画像処理は、
1.SAO合成 カラーシフト(PhotoShop)
2.AOO合成 カラーバランスの調整 x 上位レイアで20%合成
3.RGB合成 星の色を変更

といった流れで行いました。

 

撮影データ

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Title:NGC7822
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 300sec x 20 R x 11 , G x 11 ,B x 12
Exposure:Ha x 41 , O3 x 45 , S3 x 28
Total Exposure: 270min + 570min (840min)
Date:2021/8/30 9/1,9/6,9/9 @UDA

 

このように、軌道に乗り始めたリモート撮影。9月の終わりから、10月の初めにかけてとても天気が良かったです。

晴耕雨読ではなくて、晴撮雨処?で、晴れたら撮ろうということで連日撮影をしてました。

おかげで雨の日にやる画像処理が進んでいません(汗)

 

 

【星ナビ 11月号に掲載されました】

リモート天文台運用前に撮影したクワガタ星雲付近のNarrow Band作品を星ナビ11月号に掲載していただきました。

長い梅雨、8月の天候不順も続き、晴れたのは満月期ということもあってか、星ナビはNarrow作品が多数掲載されていました。

天文ガイドはDeepSkyの作品が少なめでしたね。全国的に撮影がむつかしかったのかなと推察します。

 

【Sh2-157 159 161 NGC7635(星ナビ 2021年11月号 掲載作品】

 

Sh2157-ngc7635-m52blog

 

クワガタ星雲~バブル星雲~M52 付近です。

定番構図ですし、最近はL-eXtremeフィルターのような、HaとOIIIの2つの波長を透過するデュアルバンドフィルターでの撮影も増えてますね。(その場合はクワガタのハサミの部分は白色になるようです)

撮影データ

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Title:Sh2-157 159 161 NGC7635
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50ED・ASIAIR Pro
Exposure:Ha 240sec x 19/ O3 240sec x 22/ S2 240sec x 18 Astrodon Fitler
Date:2021/8/7 22:30~@Konoyama

 

【WR134】

Rgb-hoo-blog

 

同時期に撮影した、白鳥座のγ星(Sadr)のη星の間にあるWolf-Rayet星とその周りにある反射星雲です。

HaとO3で撮影し、AOO合成をしました。

クレセント星雲(NGC6888)を照らしているWR136と同じように、超新星爆発直前?の星で太陽の何十万倍も明るい(絶対等級)星です。

この星雲は海外では、RingNebulaと呼ばれていて・・リングというよりは三日月なのですが、淡く円形に広がっているようでその姿を捉えるのはもっと露光時間が必要です。

実はこの対象を本命として応募しましたが、クワガタ星雲のほうを掲載いただけました。

晴れないといいながら・月夜でも撮影できるNarrowBand撮影に結構はまっております。リモート天文台で撮影したもの処理をしたらアップしていきたいです。

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2021年9月21日 (火)

リモート天文台のファーストライト

8月末に急遽運用を開始したリモート天文台。。

前回の記事にあるように、まずは必要と思われるものを持ち込んで撮影ができる状態に。。

8月末、9月初めになんとか晴れた日があったので撮影をしました。
一度設置をしてしまえば、晴れていてさえすれば薄明と同時に撮影ができるのがいいところですね。。

ということで、リモートワークからのリモート撮影という感じで3夜にわたって、NGC7000を撮影しました。


【NGC7000 北アメリカ星雲】

Ngc7000-fsqxrd-asi294-blog

この時期だとある意味好条件で撮影ができますね。フォトコンテストの場合は早撮りをされる方も多い(私も含めて)のですが、

8月9月は天頂付近を通るため、撮影に向いていますね。

Niftyの画像ファイルは3MBが制限なので、もともと(17MBのJpeg)をかなり圧縮しました。


さて、この対象を撮るのは久しぶりでした。

普通にデジカメでも、カラーCMOSでもよく写る対象ですが、Cygnus Wallや散光星雲のうねりを表現したくHaも含めて撮影をしています。

ちょっとモリモリで処理してみました。


【撮影データ】

Title:NGC7000
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 21 R x 15 , G x 11 ,B x 10 ,Ha 240sec x 21
Total Exposure: 312min
Date:2021/8/31,9/6,9/9 @UDA

@@@@
Exposure:L 240sec x 10 R x 4 , G x 4 ,B x 6
Date:2021/8/31 22:35~@UDA
Exposure:L 240sec x 3 R x 3 , G x 4 ,B x 4 ,Ha 240sec x 3
Date:2021/9/6 19:29~@UDA
Exposure:L 240sec x 8 R x 8 , G x 3
Date:2021/9/9 20:58

 

気づけは5時間超の露光となりました。

実はリモート撮影で最もむつかしいと感じたのがピント合わせです。

普段はオートフォーカス(EAF/ASIAIR Pro)とバーチノフマスクをつかって合わせますが、今回はどちらも使えないということもあり

かなりピントが合っているのかどうかに戸惑いました。

N.I.N.Aにもオートフォーカス機能がついてますが、時間もかかるのと、なんかとんでもないところでOKとか表示されるのであまり信用していないです。

そして、FSQという屈折タイプで運用していることもあり、温度変化も大きく難易度が上がっているように思います。

(ε130なら、スパイダーでピントがわかるので)

初日に撮影したものはピントが途中までずれていたので今回は星は大きめの処理となりました。(汗)

ということで記念となる1枚となりました。

 

今のところのリモート撮影の課題は以下の通りです。。

 

1.ピント合わせ。屈折の場合はなかなか正解がわからない。
  現状では、オートフォーカスか、N.I.N.AのImage(撮像)タブにある

  Toggle automatic star ditection and analysis (Half Flux Radius) On/Off

  自動星検知、分析(HFR)トグルスイッチ

  を使って、星の大きさを見ながらフォーカスポイントを調整していきます。
  ここの動画にあるように、うまくフォーカスを調整できればいいのですが・・
  何度やってもきれいな放物線は描かず、デコボコな数値となりエラーメッセージが出てしまいます。
    (ZWOのEAFをASI AIR PROで使う場合は、うまく放物線を描いてくれます。何が違うのかな?)


2.子午線通過設定からの、自動フリップ、自動導入、シーケンス継続

  今回は赤道儀Starbook10をASCOMで制御しています。Starbook側にも子午線通過の設定やScope(West or East)の設定がありますが、この制御と、N.I.N.A側の設定がうまく整合が取れてなくて、どうしても子午線越えの自動設定ができていないです。
 これができたら、睡眠撮影も夢ではないですね。。
 N.I.N.Aの設定には、シーケンス終了後には、自動でパークに戻して、自動でカメラの冷却を戻して、自動でふたをする(Close cover when sequence ends)という設定もあり、ふたの制御はともかく、パークや冷却オフなどとても便利な機能ですね。


3.現地で何が起きているか。。よくわからないことも。

  タカSiさんが使われていたIRカメラと、IRライトをそのまま譲り受けることができたので、現地の望遠鏡の向きなどをリモートで見ることができます。ずっとライトをつけるのではなく、Switch Botで光源のオン、オフもできるのでいま望遠鏡がどこを向いているのかがよくわかります。ほかにもいろいろとリモートではできないことがあるので、この辺りは決定的に遠征とは違いますね。

 

ということで、ぼちぼち リモート撮影を開始した続報を投稿します。

なんだかんだでトラブルも多く、現地に何度か立ち寄りながら修正中です。。

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2021年9月12日 (日)

リモート撮影 始めました!

8月半ばからの長雨。そして9月の新月期も週末は晴れない日々が続いております。

ブログを更新するたびに、晴れない嘆きを書いていたから!?か。。

ヒョンなご縁で、すでに運用をされているリモート天文台に参加させていただけることになりました!


【リモート天文台のお誘い】

アマチュア天文写真家の中でも、赤い彗星のごとく現れて、素晴らしい作品を次々を発表されているタカsiさんが運用されていたU.D.Aリモート天文台について、KIRIさんからのお声かけもあって後釜に座ることとなりました。

ご本人のBlogでも書かれていますが、別途運用されている南紀の天文台に集約されることを検討されていて、リモート天文台を使ってみたいという私の思いもあっての利用者チェンジです。

最初お話を聞いたときは、すでにリモート天文台として運用をされているところに新たに引越しをする?イメージでしたので、設備についてはまったく心配なかったのですが、いやいや、リモート撮影とか。。現地に行ってもトラブル多発なのに無理!!って感じで迷っておりました。
KIRIさんの心強いお言葉、全面的なサポートの約束を取り付けて、希望をお伝えしました。

ご一緒させていただくリモート天文台の方は、CANPや星もとなどでお目にかかったことがある方々だったのでお話がしやすかったです。
途中からの参加にもかかわらず、温かく受け入れていただき本当に感謝しております。

 

【事前準備編】

お声掛けいただけたのが8月の下旬です。
最近は現地でASI AIRで撮影することが多く、リモート環境のPCや天文ソフトから準備が必要です。
そしてあまり使ったことがなかったオートフォーカスや赤道儀のパーク方法など・・それにしてもわからないことだらけで、撮影ができるようになるまで半年くらいかかりそう。。(リモート天文台としての設備はすでに整っているにもかかわらずです)
と心配をしていましたが、1週間で一通りの機材をそろえて、まずはお家でくみ上げてプチリモート開始です。

事前にPCには以下のソフトをインストール
・ASI カメラ、EAF、フィルター ドライバ
・ASCOM 6.5本体、ドライバ
・PHD2(ガイド用)
N.I.N.A(オールインワンの天体撮影ソフト<フリー>)
Sky Atlas Image Repository(天体データ 1GBとかなり詳細 NINAページよりDownLoad可)
Cartes en Ciel(プラネタリウムソフト 星図から対象を見つけるため)
ASTAP(プレートソルブ用ソフト)
・APT(カメラ制御、撮影、FW、フォーカサーなどバックアップ用に・・)
・リモートアクセス用ソフト

※これらのソフトを使ってのリモート撮影については、別の機会にBlogで紹介をしようと思います。


ベランダでリモート撮影の練習開始です。M33の導入や撮影、ピント合わせなどを一通りやってみます。
数時間かけて、何とかできるところまでたどり着くことができました。(KIRIさんマンツーマン指導の下。)

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【初めての現地、設営作業】

8月末の週末、なんとか星が見えそうな予報。準備不足はいがめませんがせっかくなので現地に行くことになりました。
この日はこれまで使われていたタカSiさんが機材を引き上げにいらっしゃるということで時間を合わせて現地へ。

同じ天文台を運営されている皆様もこの日は勢ぞろいされていて、ご挨拶をさせていただきました。
天文台の設備やルーフの開け閉め、リモートカメラへの接続方法などをご教示いただきました。
みなさん様々な工夫をされた機器を設置されていて、早速いろいろと教えていただき本当に感謝感謝です。

現地で電源につなぎ、無線LANを設定。Swich BotのハブminiとSmart温度計、リモート天文台に設置してあるエアコンのリモートSwitch、赤道儀や望遠鏡の状況を見るためのIR電源のためのスイッチ(IR電源やカメラはタカSiさん設置のものをそのままおいていただけたので)などを持参し現地でセットアップします。

現時点でEAF(オートフォーカサー)がついているのはFSQ-85のみ。今回はASI 294MMProを撮影用カメラとし、ガイド鏡にはminiBorg45ED、ASI 120miniをつなぎます。
まずはSXD2をセッティングし、FSQとガイドカメラ、曇り止め用のヒーターを巻きます。ケーブルが絡まないように赤道儀をいろんな角度に動かしながら試していきます。

中古で購入したPCを赤道儀の下に設置。リモートでコンセントをOn Offするスマート電源タップをセット。
ZWOのカメラ(撮影用、ガイド用)や赤道儀(LAN→USBに変換)など、認識しなくなったときにUSBを抜き差ししてくるReTryHubもセット完了。何とか準備を整えて電源を入れてみます。

 


【SXD2が動かない!】

ようやくセットアップしたところで赤道儀のスイッチをOn!というところでトラブル発生。。
なんと前日まで動いていたSXD2が突然電源が入らなくなりました。赤道儀とSB10をつなぐコントローラケーブルの接触不良か!?
差し込み口をぐっと抑えると一瞬SB10が点灯するもそのまま動かすと電源断・・・
このタイミングで故障するとは、あまりにも辛い。でもリモートで動かなくなるのはもっと辛い。。
ということで急遽車に積んでいたAXJに赤道儀入れ替えです。
三脚からの入れ替えで大変でしたが、AXJをセットアップして再度FSQを搭載します。


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※線が整理できていないのはちょっと恥ずかしいですね。このあと束ねて少しはましになってますがあまりすっきりしていないです。


【初めてのドリフトアライメントによる極軸合わせ】

様々な手戻りもある中でようやくセットアップも完了。
そろそろ極軸合わせや導入のテストをやってみたいなぁと空を眺めるも雲が多く、ところどころに明るい星が一種運見えるくらいでした。
しばし待つと時折雲が切れて星が見えてきます。
おおよそ北を向けて、明るい星を導入、プレートソルブをやってみます。

なんとか星を捉えることができました。さて問題はこの場所から北極星が見えないことです。
Vixenの赤道儀(SXD2、AXJ)には上級者向けとして紹介されていますが、もうカメラもついていて接眼レンズもなく、現地で読みながら合わせるのもなぁということで、皆さんがいいとおっしゃる「PHD2」のドリフトアライメントに挑戦しました。

これまたPHD2ではなく、別の赤道儀とコントローラを使って解説していた「北極星の見えない場所での極軸合わせ」という動画を見ながら、手順、理屈を理解してから、PHD2の「ドリフトアライメント」機能の画面の案内に沿いながらなんとか調整をすることができました。
(PHD2はなぜか手順が英語で書かれているので取っつきにくかったですが、一度やってしまえばとても使い勝手のいい機能だと思いました。)

結構な時間をかけてようやく極軸あわせが完了。N.I.N.AとASTAPによるプレートソルブもうまくできるようなので、これでリモート運用開始のめどが立ちました!


【リモート撮影 開始!】


さて、ぼちぼちリモート撮影を開始です。
8月最終週からは、こんな感じで晴れたらリモート撮影をしております。

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これからが楽しみです。


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