撮影機材

2022年3月13日 (日)

NGC4038/4039 と R200SS エクステンダーPHの問題

おなじみからす座にある「NGC4038・NGC4039」衝突銀河です。

これまでも何度か撮影を試みた対象です。

今回は、2つの鏡筒でカラー画像とL画像を使い合成を試みました。

 

使用した鏡筒

1.GS200RCxCCD 0.67 Reducer +ASI2600MC

2.R200SSxExtenderPH + ASI294MM <Astrodon filter> 

ということで画像処理をしていたのですが、とあり理由でずっと放置となっていました。

その理由というのが、R200SSとエクステンダーPHの組み合わせで撮影したときに、写野の外にある比較的明るい星の光芒を拾ってしまうということにあります。

 

【NGC4038/4039 合成ver.】

Ngc403839_r200ssxex_asi294

GS200RCのカラー画像とR200SSのL画像を合成したのですが、銀河の南に延びている腕の部分に斜めに光芒が走っています。

 

 

【NGC4038/4039 GS200RC/ASI2600MC ver.】

 

Ngc403839_gso8rcxasi2600mc_240secx40

こちらはGS200RCで撮影したカラー画像のみで処理したバージョンです。

光芒は全く映っていません。

 

撮影データ

-------

Title:NGC4038 4039
Optics:GSO8RC(GS200RC) x 笠井フラットナー (f=1,600mm, F=8)
Camera:ASI2600MC Pro 1x1 bin /Gain100/ -0d
Mount:Vixen SXD2
AutoGuide:miniBorg50ED・ASIAIR PRO
Exposure:240sec x 40 , 25sec x 8
Date:2022/1/9 @Konoyama


Title:NGC4038 4039
Optics:Vixen R200SS RED x エクステンダPH (f=1,120mm, F=5.6)
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:180sec x28
Date:2022/1/9 @UDAリモート天文台

-------------------

撮影をしていた時は気づかなかったのですが、画像処理をして強調をすると明らかに光の筋が写っていました。

 

【L画像】

Ngc4038l_20220313153601

ASIFitsViewerのスクショですが、こんな感じで見えてましたがちょっとわからないですね。

原因を調べていくうちに、写野の外にある恒星の光が入っていたのではと思えてきました。

 

【画角イメージ】

 Img_1634_20220313153901

ちょうど南西の方向に、31Crtということでからず座の5.28等星があります。決して明るい星ではないのですが、方角的にはこの光を拾っているように見えます。

 

【Crt31】

Img_1635

 

こちらが恒星の情報です。さほど明るくはないのですが、う~ん。輝線の方向はあってますね。

それで・・・

この事象が起きたのが今年の1月だったのですが、実は同じような事象がほかの銀河でも起きていました。

 

【NGC3184】

 <L画像>

Ngc3184-l

まるで刷毛ではいたような光芒。M45ではないので、写らないでほしいですね。

こちらは、何枚か撮影したすべてのフレームに表れていました。。。

 

<R画像>

Ngc3184-r

 L画像よりも明るいですね。少し写野をずらしてみましたが焼け石に水?

 

【画角イメージ】

Img_1633_20220313154101

おっと。。東のほうに何やら明るい星がありますね。Tania Australis と書いてあります。

 

 

タニア・アウストラリス(Tania Australis) 】

Img_1636

輝線の原因となっているのは、おおくま座の2番目の足と呼ばれている3等星です。

表面温度が3950Kなので、かなり赤・橙に近い色だと思います。R画像に激しく輝線が入っているのも頷けます。。

って頷きたくはないのですが、明らかに写野の外にある星の光芒を拾っていることがわかりました。

NGC4038、4039みたいに撮影してから気づくのはちょっと困りますね。。

R200SSのエクステンダーPHは、周辺まで星が丸くて本当に申し分のない補正レンズなのですが、

これって何か防ぐ方法とかあるのでしょうか?

いまは対象を変えるくらいしか手が打てておりません。

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2021年9月12日 (日)

リモート撮影 始めました!

8月半ばからの長雨。そして9月の新月期も週末は晴れない日々が続いております。

ブログを更新するたびに、晴れない嘆きを書いていたから!?か。。

ヒョンなご縁で、すでに運用をされているリモート天文台に参加させていただけることになりました!


【リモート天文台のお誘い】

アマチュア天文写真家の中でも、赤い彗星のごとく現れて、素晴らしい作品を次々を発表されているタカsiさんが運用されていたU.D.Aリモート天文台について、KIRIさんからのお声かけもあって後釜に座ることとなりました。

ご本人のBlogでも書かれていますが、別途運用されている南紀の天文台に集約されることを検討されていて、リモート天文台を使ってみたいという私の思いもあっての利用者チェンジです。

最初お話を聞いたときは、すでにリモート天文台として運用をされているところに新たに引越しをする?イメージでしたので、設備についてはまったく心配なかったのですが、いやいや、リモート撮影とか。。現地に行ってもトラブル多発なのに無理!!って感じで迷っておりました。
KIRIさんの心強いお言葉、全面的なサポートの約束を取り付けて、希望をお伝えしました。

ご一緒させていただくリモート天文台の方は、CANPや星もとなどでお目にかかったことがある方々だったのでお話がしやすかったです。
途中からの参加にもかかわらず、温かく受け入れていただき本当に感謝しております。

 

【事前準備編】

お声掛けいただけたのが8月の下旬です。
最近は現地でASI AIRで撮影することが多く、リモート環境のPCや天文ソフトから準備が必要です。
そしてあまり使ったことがなかったオートフォーカスや赤道儀のパーク方法など・・それにしてもわからないことだらけで、撮影ができるようになるまで半年くらいかかりそう。。(リモート天文台としての設備はすでに整っているにもかかわらずです)
と心配をしていましたが、1週間で一通りの機材をそろえて、まずはお家でくみ上げてプチリモート開始です。

事前にPCには以下のソフトをインストール
・ASI カメラ、EAF、フィルター ドライバ
・ASCOM 6.5本体、ドライバ
・PHD2(ガイド用)
N.I.N.A(オールインワンの天体撮影ソフト<フリー>)
Sky Atlas Image Repository(天体データ 1GBとかなり詳細 NINAページよりDownLoad可)
Cartes en Ciel(プラネタリウムソフト 星図から対象を見つけるため)
ASTAP(プレートソルブ用ソフト)
・APT(カメラ制御、撮影、FW、フォーカサーなどバックアップ用に・・)
・リモートアクセス用ソフト

※これらのソフトを使ってのリモート撮影については、別の機会にBlogで紹介をしようと思います。


ベランダでリモート撮影の練習開始です。M33の導入や撮影、ピント合わせなどを一通りやってみます。
数時間かけて、何とかできるところまでたどり着くことができました。(KIRIさんマンツーマン指導の下。)

Img_4709


【初めての現地、設営作業】

8月末の週末、なんとか星が見えそうな予報。準備不足はいがめませんがせっかくなので現地に行くことになりました。
この日はこれまで使われていたタカSiさんが機材を引き上げにいらっしゃるということで時間を合わせて現地へ。

同じ天文台を運営されている皆様もこの日は勢ぞろいされていて、ご挨拶をさせていただきました。
天文台の設備やルーフの開け閉め、リモートカメラへの接続方法などをご教示いただきました。
みなさん様々な工夫をされた機器を設置されていて、早速いろいろと教えていただき本当に感謝感謝です。

現地で電源につなぎ、無線LANを設定。Swich BotのハブminiとSmart温度計、リモート天文台に設置してあるエアコンのリモートSwitch、赤道儀や望遠鏡の状況を見るためのIR電源のためのスイッチ(IR電源やカメラはタカSiさん設置のものをそのままおいていただけたので)などを持参し現地でセットアップします。

現時点でEAF(オートフォーカサー)がついているのはFSQ-85のみ。今回はASI 294MMProを撮影用カメラとし、ガイド鏡にはminiBorg45ED、ASI 120miniをつなぎます。
まずはSXD2をセッティングし、FSQとガイドカメラ、曇り止め用のヒーターを巻きます。ケーブルが絡まないように赤道儀をいろんな角度に動かしながら試していきます。

中古で購入したPCを赤道儀の下に設置。リモートでコンセントをOn Offするスマート電源タップをセット。
ZWOのカメラ(撮影用、ガイド用)や赤道儀(LAN→USBに変換)など、認識しなくなったときにUSBを抜き差ししてくるReTryHubもセット完了。何とか準備を整えて電源を入れてみます。

 


【SXD2が動かない!】

ようやくセットアップしたところで赤道儀のスイッチをOn!というところでトラブル発生。。
なんと前日まで動いていたSXD2が突然電源が入らなくなりました。赤道儀とSB10をつなぐコントローラケーブルの接触不良か!?
差し込み口をぐっと抑えると一瞬SB10が点灯するもそのまま動かすと電源断・・・
このタイミングで故障するとは、あまりにも辛い。でもリモートで動かなくなるのはもっと辛い。。
ということで急遽車に積んでいたAXJに赤道儀入れ替えです。
三脚からの入れ替えで大変でしたが、AXJをセットアップして再度FSQを搭載します。


Img_4724

※線が整理できていないのはちょっと恥ずかしいですね。このあと束ねて少しはましになってますがあまりすっきりしていないです。


【初めてのドリフトアライメントによる極軸合わせ】

様々な手戻りもある中でようやくセットアップも完了。
そろそろ極軸合わせや導入のテストをやってみたいなぁと空を眺めるも雲が多く、ところどころに明るい星が一種運見えるくらいでした。
しばし待つと時折雲が切れて星が見えてきます。
おおよそ北を向けて、明るい星を導入、プレートソルブをやってみます。

なんとか星を捉えることができました。さて問題はこの場所から北極星が見えないことです。
Vixenの赤道儀(SXD2、AXJ)には上級者向けとして紹介されていますが、もうカメラもついていて接眼レンズもなく、現地で読みながら合わせるのもなぁということで、皆さんがいいとおっしゃる「PHD2」のドリフトアライメントに挑戦しました。

これまたPHD2ではなく、別の赤道儀とコントローラを使って解説していた「北極星の見えない場所での極軸合わせ」という動画を見ながら、手順、理屈を理解してから、PHD2の「ドリフトアライメント」機能の画面の案内に沿いながらなんとか調整をすることができました。
(PHD2はなぜか手順が英語で書かれているので取っつきにくかったですが、一度やってしまえばとても使い勝手のいい機能だと思いました。)

結構な時間をかけてようやく極軸あわせが完了。N.I.N.AとASTAPによるプレートソルブもうまくできるようなので、これでリモート運用開始のめどが立ちました!


【リモート撮影 開始!】


さて、ぼちぼちリモート撮影を開始です。
8月最終週からは、こんな感じで晴れたらリモート撮影をしております。

Img_4726

これからが楽しみです。


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2020年12月 5日 (土)

AXJが無事退院!

前回の記事で書いておりましたAXJの不具合ですが、販売店さん経由での修理依頼の後1週間ほどで以下の内容のメールが返ってきました!

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AXJ赤道儀内部の仰角の固定に関わるネジが緩んでおりましたので、しっかりと締め直して調整させていただきますとの事でした。

使用方法や搭載されていた機材の重量等によるものではなく、今回の修理調整により今後大きく緩む事は無いものとのことです。
修理費用に関しましては保証内での対応となります為、無料とのことでした。

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初期不良扱い?ということで、修理代はかからず、送料(送るとき)のみで修理をすることが
でき、本日無事帰ってきました!

メーカーとの折衝をしていただいたKYOEI大阪のKさん、ありがとうございました。
大変助かりました。

結果10日間で修理ができたのでよかったです。まだ実働はしていませんが、たぶん大丈夫でしょう。。


ところで修理報告書などは入っていなくて(パソコンの修理とかなら大体何の不具合か、何を処置したかとか
書いてますよね)、なぜか納品書が1枚入っていました。

Img_25421

そして、送ったはずの保証書は帰ってこなかったです。(大丈夫なのかな?)

※こちらは確認したところ、再度に張り付けてあった袋に入っていました。折れていたので気づかなかったです。

取り急ぎ、修理状況をご報告しました。

春の長焦点の撮影に間に合いました。



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2020年11月29日 (日)

Vixen AXJ赤道儀 故障? カタカタいってますけど。。

久々に機材ネタといいますか・・・
ちょっと困っております。

2017年12月に鳴り物入り?で導入したAXJですが、先日撮影しているとき
カタカタと音を立てて動くことが判明。。

販売していただいたKYOEI大阪さん経由でVixenさんに問い合わせをしてもらった
ところ、ユーザでは触れないところが緩んで動いていることが判明。
3連休明けに到着でVixenに修理入院しました。

Inked20201129_124250395_ios_li

 

カタカタ動画はこちら

 

赤道儀のジョイント部分が赤道儀の上部で動かすと1cmくらいカタカタ動くのですが、どのねじを締めても
解消しません。(遊びとはとても言えないくらいの範囲で)

一応、初期不良?なら10日間、そうでなければ最大60日修理にかかるとの回答をいただいておりまして、

でもこの赤道儀、落としたりしてないし、確かに車で移動をしますが。。。
おおもとのねじが緩んでいるように思えますが、大掛かりな修理とか言われたら、ほかの皆様は本当に大丈夫!?って思ってしまいます。
(ユーザが触れない部分で何か起きたらどうしようもなく)

送付から5日間たちましたが、まだ連絡がなく、果たしてどうなるのか。。戦々恐々の状況です。

ほかに、同様の経験をされた方がいらっしゃったら是非教えていただきたいです!

これで長期入院とかなるなら、ちょっと困りますね。。。
SXD2は、長期で利用していてそろそろオーバーホールと思っていたのですが、
まさか先にAXJを送ることになるとはゆめゆめ思っておりませんでした。
安定感も高く、とても気に入って使っていた赤道儀なので心配です。

追伸:こんなことならTakahashiのEM200をドナドナしなければよかったと絶賛後悔中です(汗)

 

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2020年11月 7日 (土)

2020年 夏の対象第3弾

1か月ぶりの更新となります。タイトルの通りいまだに夏の対象をアップしております。。

コロナや悪天候が続いた2020年の前半のうっ憤を晴らすかのように、8月、9月は
晴れを求めて奔走?してました。

お盆時期の熊野エリアに続き、翌週には兵庫県の篠山に行き、月末には満月前の月が輝く中、神野山天文クラブの月例会に参加しました。

9月の4連休は新月期と重なり、できたら2回くらい撮影!ともくろんでいたものの、関西地区の予報はとても残念なことになっていて。。

この時に唯一晴れそうなのは中国地方以西ということもあり、島根・広島・岡山の県境付近にある道後山までという小旅行(往復8時間!?)クラスの遠征に出かけました。

道後山は初めてでしたが、関西から四国に赴任されているNさんおすすめの場所で、360度パノラマ&暗い空に出会うことができ
素晴らしい体験ができました。現地に集結した星見屋さんは結構関西からいらっしゃった方も多かったです。
9月末とはいえ、気温も10度を下回り、風が強かったのでとにかく寒かったです。。。

ということで撮影した中から、8月半ばの作品をアップしたいと思います。


【IC1284 1283 NGC6589 6590 バンビの首飾り?】

20200813-ic12843-ngc658990


最近のマイブームであるTakahashiのε130DとASI183の組み合わせで、StarCloud内にあるバンビの首あたりを
狙いました。赤い散光星雲が2つあり、星の多い領域です。暗黒帯もあって見ていあきません。

撮影データ
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Title:NGC6692-95
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR PRO
Exposure:L 120sec x 24 / R 120secx8 / G 120secx8 / B 120secx8
Ha 120sec x 33 / O3 120sec x 16
Astrodon Tru-Balance
Date:2020/8/13 @Iuchi

 

【IC5146】

20200814-cocoon-ep_asi1833  

白鳥座とケフェウス座の間に位置するまゆ星雲です。

赤い星雲を包むように反射星雲があって、なんとも幻想的です。そしてこの天の川の星が多い領域に
不気味に浮かぶ暗黒帯がさらに絡まっています。アップ写真もいいのですが、暗黒帯が大好きな
私にとってはこのくらいの画角で撮るのがベストです。

 

撮影データ

ーーーーーーー
Title:IC5146 /Cocoon nebula
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:AminiBorg45ED・ASIAIR PRO
Exposure:L 180sec x 17 R 180secx8 / G 180secx8 / B 180secx8
Astrodon Tru-Balance
Date:2020/8/14 @Iuchi

 

【NGC6692-5 Veil nebula】

Ngc6692

今回はLRGBに加えて、Ha、O3などを撮影しています。

未改造機では表現できないような螺旋が絡まる様子などが
ナローバンドフィルターの画像をブレンドすることで表現しました。

この作品は自分でもお気に入りの1枚となりました!

撮影データ
ーーーーーーーーーーー
Title:NGC6692-95
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR PRO
Exposure:L 120sec x 24 / R 120secx8 / G 120secx8 / B 120secx8
Ha 120sec x 33 / O3 120sec x 16
Astrodon Tru-Balance
Date:2020/8/13 @Iuchi

 

【NGC6692-95 6960 6974-79】

Ngc66925-6960-697479-20200813-veil

2台体制の裏?で撮影していた網状星雲広域です。

西側の星雲のさらに西には、茶色い星雲があって、暗い空だとそれが写るのですが、
今回はさらにその右下にある分子雲や、左の端にある分子雲も写っていて、
さすが熊野の空!と思える1枚となりました。


撮影データ
ーーーーーーーーーーー
Title:NGC6692-95 6960 6974-79
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:Nicon D810A ISO3200
Mount:Vixen SXD2
Exposure:240sec x 54
Date:2020/8/13 @Iuchi



この2枚を星ナビに応募したところ、全体像のほうを星ナビ2020年11月号に
掲載していただけました。うれしいです。

【星ナビ2020年11月号より】

Hoshinavi

アップした画像より全体の輝度が高めですね。プリントアウトや印刷の加減でしょうか。。
同じページの下に掲載されていた作品は、網状広域をSAOとRGBで合成されている力作で
素晴らしいですね。比較のためにデジカメの作品を掲載いただけたのだろうかなぁと思っております。

 

次からは9月の作品もアップしていきます(汗)

それにしても、月1回くらいの更新のためか、慣れないココログのUI。

画像のサムネイルサイズを都度変更できないこともあって? 縦構図と横構図でずいぶん大きさが異なって
しまいます。使いにくいですね。

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2018年9月 9日 (日)

台風やら地震やら大変なことに

先日の台風21号は、地元でも爪痕を残していきました。
地域によってはいまだ停電が解消できていないことろも・・
そして、北海道の地震、週末は大雨とほんと、天変地異場続きますね。
皆様の安全、被災された方の一日も早い回復を祈念しております。
そんな中で、秋雨前線が日本列島を覆っており、もうこれ以上雨を降らさないで
という状況が続いております。
うちは幸い被害はほぼなかったのですが・・
そして、9月の新月期は撮影どころではないですね。
気づけば、今年の夏は天気に恵まれず、すっきり晴れた日の撮影とかほとんど
なかったです。
このまま秋雨、そして冬となれば、すぐれない天候と天文写真屋さんとしても、
なんか滅入りますね。
数少ない晴れ間を縫って撮影した作品をアップします。

【白鳥座 全域】

Cgy_sigma85_b
6月半ばの撮影です(汗)

白鳥座が昇るとともに撮影を開始しました。2フレームモザイクです。
湿度100%のなか撮影していて、気づけば、レンズが曇って・・
一応ヒーターを巻いてましたが、残念な状態になっていました。
いくつかのコマはコンポジットできませんでしたが、何とか作品にしあげました。
大きな画像はこちら

--
撮影データ
Title:Cyg
Optics:Sigma 85mm Art(F=2.5)
Camera:Nikon D810A
Mount:Vixen SXD2
Exposure:ISO1600 West 120sec x 32  East 120sec x 29
2 field mozaic
Date:20178/6/16 @Kutsuki



【クレセント星雲 NGC6888】

Ngc6888_rgb_hao3b



デジカメのRGBに、冷却CCDのHa、O3をブレンドして仕上げました。
ナローでの撮影のピントがずれていたようで、せっかくのシャープな画像を
撮ることができませんでした。
最近よくやるパターンですが、写野全体や星の色はデジカメ、星雲の
淡いうねりはCCDをつかって合成することが増えてきています。
それぞれの特徴をいかしたハイブリッド型がにわかに?流行っているのかなぁと
思います。

       合成がどんなところまでできるか? 試してみたいです。

そしてナローもできる限り長い時間で撮影したいですね。

大きな画像はこちら 


--
撮影データ

Title:NGC6888

Optics:GSO8RC x CCD67 Reducer (f=1073mm/F=5.36)
Camera:QHY9s 1x1 bin Gain13 Offset 130 
Exposure:Ha 600sec x10     O3 600sec x 13
AutoGuide:mini Borg 50,QHY 5ii-L ,PHD2
Mount:Vixen AXJ
Date:2018/7/21 @Takashima

Optics:GSO8RC x 2inch flatner (f=1600mm/F=8)
Camera:Canon6D HKIR
2 x Drizzle
Exposure:ISO3200 300sec x 26
AutoGuide:mini Borg 50,QHY 5ii-L ,PHD2
Mount:Vixen AXJ
Date:2018/7/15 @Ohashi

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2018年2月15日 (木)

AXJ 長焦点の新兵器

2月も折り返しですね。ほぼ月1ブログとなっております(汗)

空は春の天体真っ盛りですが、関西は1月、2月と週末はすっきり晴れない状態です。

銀河を美しく取りたい! とずっと思っており、EM200やAOなどを使ってきましたが、
年末に新たなる散財を・・・

Vixenの新赤道儀 AXJを購入しました。Starbook10で使うAdvanced UnitやWatecの
高性能アナログカメラも合わせてなのでかなりの出費に。
そのために2年ほど愛用したEM200を手放すことになりました。

【Vixen AXJ赤道儀】

Img_1708

組み立てた写真は、遠征の時に撮ろうと思ってましたが、暗闇?での撮影となるため
断念しております(笑)

三脚はどっしりとしたAXD用のものにAXJのアダプタをつけて使うことにしました。
一番困ったのはケースで、これまでEM200を入れていたものには入りません。
内寸が420 x 420 x 220 くらいないと収まらないのですが、縦幅が長すぎていいケースが
見当たりません。
とりあえず特大の収納ケースを探しまくって?そこに小さな座布団を敷いて入れております。
(専用ケースはまだ売られていないようです)

ファーストライトは、月明かりの元でのHa撮影となりました。

【X'mass Tree星雲】

Composit_1binx13_2binx7

QHY9を持ち出したのですが、最近はすっかりNarrow撮影になってますね。
GSO8RCのReducerを使った作品は初めてです。

本当はHaだけではなく、S2やO3も撮りたかったのですが、この日も雲が多い1日と
なり早々に断念しHaだけを撮影していました。

枚数も少ないのですが、せっかくなので画像処理をしました。かなり強調しているのですが
白黒なので地味ですね(笑)

Narrowなので星の大きさはデジカメと比較しにくいのですが、ガイドはそれなりに安定しているようです。
そういえば、突然Starbook10とAXJとの通信が切れるエラーが多発してしまい、
「さっそく故障!?」と思ったのですが、一緒に撮影に来られていた天文中年さんのアドバイスで
Starbook10とAXJをつなぐケーブルの問題であることが判明。予備のものをお借りして事なきを得ました。

高い赤道儀なんだからちゃんとケーブルもチェックして出荷してもらいたいですね。
遠くまで撮影に行って、こういったトラブルが発生すると大きなショックになります。

--
Title:X'masTree ,Cone nebula
Optics:GSO8RC x AstroPhisics reducer x0.67 (f=1072mm/F=5.36)
Camera:QHY9S Ha filter
Exposure:Gain 10  Offset130 600sec x 13 + 2bining 600sec x 7
Mount:takahashi Vixen AXJ
Date:2018/1/6@Nishiki



さて、これでパソコンを使うことなく赤道儀を動かせるので撮影での手間が省けそうです。
もちろん導入補正の時は、ステラショットをつないで行いますが、ガイドはAdvanced Unitで行います。
時間を見つけて、AO UnitとAXJを接続した撮影にもトライしたいと思っています。



【祝! 星ナビ3月号 入選】

201803

2/5発売の星ナビに、おうし座のレムナントを掲載いただきました。
デジカメとHaの同時撮影というフレーズ?が編集の方の目に留まったのでしょうか。

1月のブログに掲載したものでした。

もう少し露光時間をかけるとさらにブラッシュアップできそうな対象です。



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2017年3月20日 (月)

新兵器の導入 -StarlightXpress AO Unit

春の長焦点シーズン到来?ということで、今回新たにAO装置を導入しました。

長焦点を撮影する上で、どうしてもガイド精度を上げて解像度も上げていきたいという思いが強く、いつもお世話になっている長焦点の神様?である兵庫のNさんもお使いの
AOユニット(補償光学装置)を導入することに。。
日本国内で買える装置は2種類?という中、天文ハウスTomitaさんで取り扱いをされているStarlightXpressのSX-AOを購入しました。

冷却CCDにガイドチップがついていれば便利ですが、私の場合は無謀にもデジカメでAO装置を使うべくいろいろとシステムを組んでみました。


【AOユニットの構造】

AOユニットの鏡筒側は、StarlightXpress社でFW用に準備されている3点ねじ止め式のメスリングです。
付属のものは、SCT用とM42のものがあります。できればM48でも接続したいので、こちらは別途ドイツのTS社で売っているものを購入しました。

Img_9490

AOユニットは、テーパーリングでOffAxisGuiderはユニットをイモネジで3点止めする使用です。
汎用的なサイズではないので、OffaxisGuiderを単体で使おうとすると、別途接続用のリングを個別に作る必要があります。 (残念・・・)

Img_9488_2

ガイドカメラはCマウントのねじ止め式で、プリズムの位置(図の①)とガイドカメラの位置(図の②)を調整するためねじがあります。
(長いネジとイモネジ)
カメラ側は、3点ねじ止め式のオスリングです。M72とM42が標準装備されています。こちらはデジカメ用のTリングに接続します。

Img_9752


【接続方法とアプリケーション】

AOとPCはシリアルポートからUSBに変換し接続します。
また赤道儀(Temma2M)からガイド用のケーブルをガイドポートに接続します
赤道儀とPCをUSBで接続し、ガイドカメラはそのままPCにUSBで接続します。
あと電源は100Vか、DC12Vで接続します。

Sxv_ao_connection_2

結構、線が増えますがこんなかんじで接続します。

AO装置のコントロールは、PHD2で行います。MaximDLでも制御ができるようです。
普通にPHD2で、ガイドカメラ→赤道儀(ASCOMのTemmaドライバ経由)→AO(COMポート指定)でつながってくれました。
コントロールの際は、ガイドカメラの画像転送遅延の影響を最小限にするために「サブフレームを使用する」を選択します。
これでガイド星を選んだあとは、その周辺の画像のみがカメラから送られてくるので早いレスポンスが期待できます。

露光時間はとりあえず1秒でやっております。このAOユニットをお勧めしてくださったNさんは、0.5秒くらいがおすすめとおっしゃってましたが、F10の暗い鏡筒ではなかなかガイド星がみつからず、1秒かくらいで始めております。(もちろん明るいガイド星があれば、0.5秒でいきたいです)

接続などは驚くほどあっさりでき、アプリケーションも問題なく動いてくれます。とはいえいくつかの課題があります。


【課題1 :光路長の調整】

EdgeHD800の直焦点は、推奨バックフォーカスが133mm、0.7XReducerの場合は105.5mmとシビアに決まっています。

今回導入したAO装置は、光路長は鏡筒側のアダプタリングを入れて74mm(実際の長さは78mm)です。(80mmという表示があるサイトもあります。)
単純に、ここにTringとEOSの光路長(11+44mm)を足すと129mmとなります。
鏡筒のSCTネジに直接接続すればいいのですが、AO装置がEdgeのピントノブと干渉してしまうので、SCT→M42変換アダプタ(14mm)を使って接続します。
結果としては143mmと推奨より10mmも長い光路長となってしまいます。
EdgeHD(00の場合、直焦点、APS-Cだと周辺まで非常に鋭い星像となりますが、小さな銀河をとらえるなら中心部が解像してくれればいいので許容範囲としました。

【課題2  :ガイドカメラのピント調整】

StarlightXpress社の冷却CCDをつなぐわけではないので、今度はガイドカメラのピント位置を後ろに持ってこないとダメになりました。
StarlightXpressの冷却CCDのバックフォーカスは17mmということで、ガイドカメラのUltraStarもこれにFitしているのでしょう。
EOSはもっと長いので、55-17=42mmほど延長が必要となります。

Cマウントでつかえるヘリコイドや回転装置を入手したりしましたが、この2つを合わせると42mmより光路長が長くなる結果に・・・。
ただヘリコイドだけだとくるくるとピント合わせとともにUltraStarが回転してしまいます。

AO装置の説明書によれば、鏡筒→AOユニット→ガイドカメラのRAの方向を合わせるようにと書いてありました。(あと撮影するカメラも?)
東西と南北の向きを水平(垂直)に保つということで理解しましたので、ガイドカメラの回転はダメとなりますので、微動装置なしでガイドカメラのピント合わせが必要です。
(神の手?)

という課題を抱えながら、トライを!と思っておりますが、新兵器を導入してからきっちりと晴れることがなく・・・
兎にも角にも悪条件のもと撮影を強行しました。


【M64 Black eye galaxy】

M64_480sec_x6_blog

こちらは、いつもの神野山で撮影したものです。雲が次々と通過し最後は全天曇りという条件でしたが、何枚か撮影できました。
Edgeなので、フルサイズは不適なサイズですが、さすが中心部はちゃんと移りますね。
デジカメでの撮影ですが、去年じっくり取ったCCDと同じ感じで仕上げることができています。

---
撮影データ

Title:M64
Optics:Edge HD 800 (f=2000mm/F=10)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 triming
Guide:SX-AO OffAxis Guider / UltraStar/PHD2 guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO3200 480sec x 6
Date:2017/2/24 @Konoyama




神野山に続き、大芦高原での撮影です。
シーイングはよかった?かもですが、とりあえず3等星がやっと見えるような薄雲のなかで撮影しました。
衛星画像をみると、真っ白な雲が通過中・・でなぜ星が見えているのか不思議な感じでしたが、さすが晴天率の高い岡山ですね。。。。


【M108】

M108_300x14

中心部付近をトリミングしています。
右下の明るい星の周りにはぼやっともやが出ていますね。薄雲の影響でしょう。

撮影データ
--
Title:M108
Optics:GSO8RC x 2inch flatner (f=1600mm/F=8)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 triming
Guide:SX-AO OffAxis Guider / UltraStar/PHD2 guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO3200 300sec x 13
Date:2017/3/3 @Ohashi



【M109】

M109_300x16_ao

こちらも中心部をトリミングしております。
なかなかむつかしい対象だと思います。比較的解像してくれたような印象です。

撮影データ
--
Title:M109
Optics:GSO8RC x 2inch flatner (f=1600mm/F=8)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 triming
Guide:SX-AO OffAxis Guider / UltraStar/PHD2 guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO3200 300sec x 15
Date:2017/3/3 @Ohashi


実は新しい鏡筒(GS2000 RC)をつかっての撮影で下。
オフアキのミラーケラレやら、周辺減光やらで、全く(本当に)フラットがあわず、バックグランドをグーンと落としました。
作品としてはとても残念な感じですが、シーイングの悪い場所で撮影をした作品にくらべると、天と地ほど星の大きさや銀河の詳細模様が違います。
単にシーイングの差なのか? AOの効果なのかはわかりませんが、やはり銀河撮影にはシーイングやガイドの精度が重要であることを痛感します。
是非いい空でじっくりと取りたいです。


【過去作品との比較】

上が今回の作品。
下2つは、それぞれ昨年作品

Img_9702

以前の作品はシーイング悪すぎ?ですね。
ともあれ、AO装置に期待が膨らみます。。

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2016年8月21日 (日)

ステラショット不調!

8月の新月期は、旅行に行っていたこともあって、あまり撮影をする時間をとることができませんでした。
そんな中でも、京都の北、福知山に撮影に行ってきました。

夜半前まで雲が切れなかったのですが、そのあとは見事な天の川が広がり素晴らしい空を見ることができました。
Nikon D810Aとε130dの組み合わせでアンドロメダ銀河を狙いました。

ただ・・・

前回のブログで、感動の?ステラショット! という記事を投稿していましたが・・
8月の遠征では突然ステラショットが動かなくなりました。

ちなみに、使い方は、

・赤道儀:Takahashi EM200 temmaM
・ガイドカメラ:QHY5L II
・撮影カメラ:Nikon D810A

と前回同様でした。

ステラショットで撮影をしようとすると、いったんシャッターはおりて撮影開始するのですが、撮影を終了した後に画像をPC側に転送しようとしてやたらと時間がかかり・・・

そして挙句の果てには、

「表示用画像を生成できません」とのエラーメッセージがでる。

USBハブは使わず、いくつかのケーブルや接続先のUSBポートも変えてみましたが、不安定な動きで、まったくデータの取り込みすらできないことも。。。

また、うまく表示ができた場合でも、導入補正を行おうとすると
「ステラショットは動作を停止しました・・」のメッセージが出てアプリがシャットダウンする。

ということで、「えええええぇぇぇぇぇぇ」みたいな状況になりました。

Astroartsのサポートに問い合わせをしましたところどうやらメモリー不足も影響しているようなコメントが・・

中古で買ったLet'sNoteは、電池の持ちもよく丈夫なので重宝しているのですが、Windows' Proの32bitだったんです。なのでメモリーは4GBまでしか認識しないため、空きポートはあっても増設ができませんでした。たしかに物理メモリをぎりぎりまで使っているようですし少なからず影響はありそうです。

ただ普段使っている別のPC(Vaio)でも試しました(Windows8 64bit メモリー8GB)
こちらはもっと動きが怪しく?(原因不明です)仕方がないので自動導入(補正はできず)と

オートガイドだけをつかい、カメラはリモートコントローラを使って撮影をしました。

【M31/アンドロメダ銀河】

M31_d810a_ep130_b

D810Aは、ファイルサイズが本当に半端なく大きいです。

jpegでも15MB以上あるので、このブログに貼るためにはかなりサイズを小さくしないとダメでした。
大きな画像はこちらへ。。

撮影データ
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Title:M31 / Andromeda Galaxy
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:Nikon D810A
Exposure: ISO2500  180sec x 29
Date:2016/8/5@Fukuchiyama
02:30~

それにしても、ステラショット不調こまりました。
仕方がないのでこの週末に、パソコンのOSを32bitから64bitにして、いちからセットアップやり直しました。

とりあえずTemmaM、QHY5、D810Aの3つがつながり、撮影した画像が表示できることは確認できたのですが。。(真黒なDark画像ですが)

さてちゃんと夜にトライしてみないと・・

追伸:アイフォンのココログアプリで、少しだけ文字を変えて更新したら、記事の改行ピッチがばらばらに・・・
もうすこし使えるアプリにしていただきたいものです。。

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2016年5月 7日 (土)

春の銀河とカメラ考察(デジカメ? CCD? フルサイズ? APSC?)

さて、春の銀河もそろそろ撮りおさめ・・ということもあり、なかなか安定はしてくれないながらもようやく撮影ができるレベルに落ち着いたEM200にEdgeHD800をのせて、様々なDeepSkyObjectsを撮影しました。

対象はメシエ天体中心ですが、サイズもまちまちですし、現地の条件(天候や風)もまちまちということもあり、果たしてDSOにはどのタイプのカメラが向くのか??について、少し考察したいと思います。 

1.撮影のしやすさ <デジカメ:A、冷却CCD:B>
 当たり前ですが、デジカメの方はピントを合わせればあとは、ガイドエラーでも頻発しなければそのまま放置ができます。(気温の変化でピンをとチェックする必要はありますが)

特に南の方にある対象ですと、撮影時間が限られてしまうので撮影しやすいデジカメでとる方法がお勧めです。
  冷却CCDの場合、EdgeHD800はLRGBで微妙にピントの位置が異なる(特にRとかBとか)ため、フィルターを変えるたびにピントをチェックする 必要があります。ピントゲージとかはつけていないので、チェックを怠ると、かえってB画像を見て星がぼよよーんなんてことが過去にありました。

 ただしピント合わせだけは、明るい星であわせるのが必須となるデジカメに対し、冷却CCDですと、撮影用のアプリで暗い星でもピント合わせが可能なので、画角を触ることなくピントチェックがしやすいです。

2.天候への順応性<デジカメ:A、冷却CCD:C>
 これはデジカメの圧勝でしょう。冷却CCDの場合、快晴を疑わず計画をして撮影していると、途中で雲の襲撃を受けて結局B画像が取れない・・なんてことがこれまでにもありました。その対策として、まずはLを4枚、そのあとRBGを2枚ずつ回してから、Lを追加するといったスタイルで撮影をしていますが、フィルターを回すたびに時間がかかるのでできればまとめてとりたいところですね。

3.撮影中の対応<デジカメ:A、冷却CCD:C>
 撮影中にチェックすることといえば、
  ・ピントはずれていないか?
  ・ガイドエラーは起きていないか?
 などですが、天候への順応でも書いている通り、冷却CCDの場合はフィルターを変えるごとのピントチェックが必要で、撮影中もかなりばたばたします。ε130とかだとこれは不要なのですが、EdgeHD800みたいに鏡筒によってはピント調整の時間に追われる場合があります。
 あと撮影時間はデジカメの方が短時間、少ない枚数でそれなりに写ってくれます。風が強い夜やシーイングが悪い時など短時間露光する場合はむいています。

4.ライトフレームの質<デジカメ:B~C、冷却CCD:A>

 これはちゃんとピントが合っていれば、間違いなく冷却CCDに軍配が上がります。
 銀河の暗黒帯とかの描写は、冷却CCDならでは・・というものも多いです。
 撮像素子をフルに活用しているわけですから、詳細な画像を得ることができます。
  デジカメでも、私が持っているEOS KissX4と、EOS 6Dでは、画素数の違いからも6Dの方が綺麗に写ります。デジカメでもフルサイズの上位機種なら鮮明な画像が得られると思います。ただし対象が小さい場合は、APSCを使ったほうが大きく写るというメリットがあります。また、色情報はデジカメの方が多彩ですから、銀河の空間の色表現とかは得意かもしれませんね。

5.画像処理による化け具合(お化粧のノリ)<デジカメ:B、冷却CCD:A>
 デジカメで無理して感度を上げて撮影したライトフレームはやはりノイジーですし、画像処理でもなかなかごまかしがきかなくなります。デジカメのrawデータは14bitで、冷却CCDは16bitとなりこの階調差は埋められるはずもありません。
 お化粧化けしやすいのが、冷却CCDでの画像であり、サクッと処理できてしまう(薄化粧でいくべき)なのがデジカメの画像でしょう。

厚化粧(汗)したからと言って必ずしもいい結果が出るとは限りません。シーイングの悪い画像をいくら16bitで撮影しても銀河の暗黒帯は見えないでしょうから。

最近マイブームなのが、DeepSkyStackerでのDrizzle処理です。Drizzle処理は他のソフトでも可能ですが、フリーソフトでできるというのが魅力です。

 5つの視点で比較をしましたが、これを平均して評価をしても意味がなくて、いい結果を得るがために苦行のような冷却CCDを使うというのが、DSOを極めるためには必要なのでしょうね。(汗) そのために冷却CCDを購入したわけですね。

天文誌に入選できるようなすごい銀河を撮るなら、冷却CCDが必須となるのでしょうね。

 ただできるなら銀河は星の数ほどあるのだから、短時間でできる限り多くの対象をうまくとりたい。というニーズには、解像度の高いデジカメで、大量の枚数を撮影し、DeepSkyStackerとかでDrizzle処理をすればいいのでは?というのが私の結論です。
特に大き目の銀河ということであれば、ε130やFSQ85の直 焦点<F=3.3 f=430mm、F=5.3 f=450mm >をつかって、短時間で何十枚も撮影する・・という方法でとった作品もDSSのDrizzlex2とかでスタックすると、かなりシャープに出来上がることがあるようです。特にこのM83はお気に入りの1枚です。



ということでどうでもいい当たり前の説明を書き綴りましたが、私の撮影パターンに当てはめた4つのケースを紹介します。


ケース1:快晴・無風が望める最高の条件で、おとめ座やかみのけ座の銀河をガッツリ取りたい。(M64、M100、M51など1晩1対象)
  ↓
Optics:EdgeHD800
Camera:QHY9 L 300sec ×16枚~ RGB 300sec ×2~3枚ずつ(2x2もあり)

ケース2:雲行きが怪しいが、シーイングがよさそうなので大き目の明るい銀河をサクッと狙いたい(M106やM81、M63など)
  ↓
Optics:EdgeHD800
Camera:Canon EOS 6D ISO4000 120sec ×32枚~

ケース3:あまり時間をかけることができないが、小さ目の銀河も撮ってみたい。(M58、M82、M90、M109など)
  ↓
Optics:EdgeHD800
Camera:Canon EOS KissX4 ISO3200 300sec ×16枚~32枚

ケース4:南の低空に出てくる銀河や球状星団を狙いたい。(M83、M9、M19、M80など)
風があって長時間露光は無理な場合など。

  ↓
Optics:ε130またはFSQ85
Camera:Canon EOS KissX4 ISO3200 90~120sec ×32~48枚 (球状星団は8枚~)

ということで、それぞれのケースで撮影した対象を紹介します。


ケース1:快晴・無風が望める最高の条件で、おとめ座やかみのけ座の銀河をガッツリ取りたい。

【M64 / Black eye Galaxy】

M64_20160312c

春の銀河の中でも大好きな銀河です。
今回は中心部の模様も少し表現することができました。

---
撮影データ

Title:M64 / Black eye Galaxy
Optics:EDGE HD 800 (f=2023mm/F=10)
Camera:QHY9,Astrodon Tru-Balance
Exposure: L:360secx11(1x1),RG:300secx5 B:300secx6(2x2)
Date:2016/3/11 @Konoyama



ケース2:雲行きが怪しいが、シーイングがよさそうなので大き目の明るい銀河をサクッと狙いたい

【M106】

M106_edge2000_6d

大きな銀河ですが、周りのハロ?部分は淡くてなかなか見えてきませんね。
この部分は暗いところで撮影しないと厳しいかもです。
6Dで撮影しましたが、銀河の明るい部分の詳細が見えてきています。

---
撮影データ

Title:M106
Optics:EDGE HD 800 (f=2023mm/F=10)
Camera:Canon EOS 6D ISO4000
Exposure: 240sec x40
Date:2016/4/30@Konoyama


ケース3:あまり時間をかけることができないが、小さ目の銀河も撮ってみたい。

【M109】

M109_20160428

以前御杖で撮影した時は、CCDを使ったのですが、シーイング悪・ガイド微妙で腕の部分が肥大化していました。
今回は安定の神野山で撮影してみました。何だかんだで3時間撮影ですね。。

撮影データ
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Title:M109
Optics:EDGE HD 800 (f=2023mm/F=10)
Camera:Canon Kiss X4 ISO3200
Exposure: 300sec x36
Date:2016/4/29@Konoyama



ケース4:南の低空に出てくる銀河や球状星団を狙いたい。

【M5】

M5

以前FSQで撮影した対象ですが、、
さすがεですね。星がシャープに写ってくれます。

---
撮影データ

Title:M109
Optics:EDGE HD 800 (f=2023mm/F=10)
Camera:Canon Kiss X4 ISO3200
Exposure: 300sec x36
Date:2016/4/29@Konoyama


おまけ・・・

途中で曇られたので、冷却CCDでL画像、デジカメでRGBを撮影
カラーアシストというとちょっと違いますが、こんなパターンもありかと。。

【M51】

M51_lx6_dslr

子持ち銀河です。
先日すさみで見た対象です。とても大きく明るく、皆さんも撮影されている対象でしょう。

CCDで撮影していましたが、天候不順でL画像のみとなっておりそのまま置いておこうかと
思っていました。

GWにデジカメでRGB画像を撮り足し(ガイドは最悪でしたが)、LRGB合成をしたのかがこちらです。

合計露出時間は、70分ということで、良く写ってくれた放火と思います。


撮影データ

---

Title:M51 / Whirlpool Galaxy
Optics:EDGE HD 800 (f=2023mm/F=10)

Camera:QHY9
Filter:Astrodon Tru-Balance
Exposure: L:300sec x6
Date:2016/3/11@Konoyama

Camera:Canon Kiss X4 ISO3200
Exposure: 300sec x8
Date:2016/4/29@Konoyama

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