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2023年4月

2023年4月 9日 (日)

M63 (春の銀河祭りVol.2)

春の銀河祭り第2弾はM63 ひまわり銀河です。

この対象もこれまで何度か撮影してきました。Edge800 HDでの撮影が多かったので、R200SSで撮影したのは今年が初めてです。

SAc型の渦巻銀河で、花びらのような構造が美しいです。

 

【M63 ひまわり銀河】

M63-b 

気づけばL画像をかなりの枚数撮影してました(汗)

露光時間をかけるほどBlurXtermeterの効果を引き出せるように思います。

RGBも時間をかけて、PixinsightのSPCCを使い、銀河のカラーバランスを整えてから彩度をアップしています。

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Title:M63
Optics:Vixen R200SS RED x Extender PH (f=1,120mm, F=5.6)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain120/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 360secx58<Bin1>
R 360sec x17, G x16, B x16 <Bin2>
Total Exposure:612min
Date:2023/2/1,6,16,25 @UDAリモート天文台

 

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こちらの作品は、天文ガイドさん(2023年5月号)に掲載いただきました。

天文ガイドさんは久しぶりに入選できたのでうれしいです。ちなみに同じページには神野山がま口壊れ隊の天文中年さんのM81,82も掲載されていました。いつもながら流石の作品です。

他にも神野山がま口壊れ隊からは、すさみでリモート撮影をされているKさんのM51が、最優秀賞はNさんのM1が選出されていました。
皆様おめでとうございます!!

 

Tenga202305

 

評者の方からは、「銀河の周りには淡いタイダルストリームが広範囲に広がっているのが知られていて、機会があればリモート撮影を生かして挑戦してみてください」・・・とコメントをいただきました。

タイダルストリーム(?)ってあまり耳慣れない言葉だったので、ChatGPT先生に聞いてみました。

Tidalstreamgpt

なるほど。。Tidalとは、潮汐作用のことみたいですね。ということは、M51子持ち銀河やからす座のアンテナ銀河とか2つの銀河とかみたいに2つの銀河が接近することで起きるダスト(星の帯状構造)ということですね。勉強になりました。

ついでに、タイダルストリーム現象がある銀河をお勧めしてもらいました。銀河名がちょっとわかりにくいものが紛れてますが(笑)

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ムーンドロップ銀河(NGC 5985)
アンテナ銀河(NGC 4038/NGC 4039)
アトランティス座銀河(NGC 7252)
バタフライ銀河(NGC 6302)
サザンピンホール銀河(NGC 5128)
ウィップル銀河(NGC 7331)
セイファート銀河(NGC 5907)
NGC 4013銀河
NGC 4651銀河
NGC 6744銀河
NGC 7714銀河
IC 2163/NGC 2207銀河対
NGC 4676銀河対(「はしご銀河」)
NGC 3628銀河
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いろいろありそうですね。アンテナ銀河やステファンの5つ子とかはこれまでも撮影しましたが、マニアックな対象もいくつかあったので機会があったら撮影したいです。

 

そして、M63のタイダルストリームですが、今回撮影のL画像だけを強調したらこんな感じでした。

【M63 L画像 TidalStream】

M63-tidal-stream

M63の周りには今見える限り大きな銀河はなさそうです。過去に銀河が通ったのか?

確かに銀河の右側には「く」を左右反転させた筋や、銀河の下には引っ搔いたような暗黒帯としっぽのような筋があって不思議な形をした銀河だと思ってましたが、いろいろと奥深いですね。

 

なかなか難易度が高そうですね(汗) 30時間くらい撮影しないとだめかなぁ。

 

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2023年4月 2日 (日)

NGC2903 (春の銀河祭りVol.1)

昨年末にUDAリモートの機材を入れ替えて、春の銀河を撮影してきました。

鏡筒はR200SS x エクステンダー付、カメラはASI290MM Proです。

ブログの更新は滞ってましたが(汗)、晴れた夜は撮影を続けておりました。

1月は結構雪が積もったり、晴れていても雲が通過したりとなかなかすっきり晴れない日も多かったです。

それでも合計9夜は撮影できました。

 

【NGC2903】

Ngc2903crop

しし座の顔の先にあり、トップバッターで昇ってくるNGC2903(肉丸さん)です。

2本の腕と中心部の棒状部分が特徴です。

この対象は毎年撮影します。中心部がなかなか解像せず満足のいく作品に仕上がったことがなかったです。

今年は7時間半の撮影と画像処理ソフトの進歩もあっていい具合に解像してくれました。

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Title:NGC2903
Optics:Vixen R200SS RED x Extender PH (f=1,120mm, F=5.6)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain120/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 360secx41<Bin2>
R 300sec x8, G x8, B x8 <Bin2>
Ha420 x 13 <Bin2>
Total Exposure:457min
Date:2023/1/21,28,31,2/8,16 @UDAリモート天文台

 

ちなみにこの撮影をしたとき、フラットが全く合ってなくてL画像が悲惨なことになっていました。

N2903-l

41枚のL画像をDark/Flat処理後にIntegrationかけた結果です(笑)

L画像はBin2x2で撮影しました。ほかの対象では、Bin1x1のL画像のFlatは問題なしでしたが、2x2はちょっと手抜きでFlat撮影して枚数も少なかったのが原因かなぁと・・。

センサーのごみやらよくわからないウネウネが満載ですね。

この後フラットを取り直しております。

フラット装置やリモート制御はしていないので、撮影するときは日中に天文台のルーフをチョコ空けして天井フラットをとるか、曇った暗い夜(月がない、周りが暗い)にスカイフラットを撮影することが多いです。

システムを入れ替える前は、カラーカメラでスカイフラットを撮ったものがフィットしていたのですが、今回は天井フラットをその後の対象分では使っております。

 

こちらが撮り直しFlatを使ったL画像です。

N2903-lnewflat

ウネウネはマシになってますが、センサーのごみ?は途中で移動してしまったのか、きれいにとれていないですね。

(そのあとの撮影ではセンサーごみはうまく消えてくれています)

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