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2021年12月

2021年12月27日 (月)

M33 さんかく座の銀河

M31に引き続き、アンドロメダ座のβ星(ミラク)を挟んで反対にあるM33銀河です。

この対象も毎年ではないですが、直近では2018年に撮影しています。

当時はε130とQHY9の組み合わせで2時間半ほどの露光をしていますね。

【M33】

20211001-ep-asi183-m33

 

この対象は小口径の双眼鏡でもよく見える対象ですが、なんともつかみどころのない構造をしています。

特徴的なのは、HII領域が多く、NGC604はハーシェルが発見した局部銀河群のなかでも最大級の大きさとのことです。

このHII領域(赤いプチプチ)を撮影するにはHaフィルターが最適なので、L画像よりも多くの時間をかけて撮影しました。

2018年当時の作品に比べると、8時間近い撮影のおかげか、シーイングがよかったおかげか、銀河の細かい構造がでています。

そして今回は、まーちゃるさんも撮影に使われていたO3フィルターを使い、銀河の青い星領域を表現してみました。

 

撮影データ

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Title:M33
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 240sec x 25 20sec x8
R 240sec x 16 , G x 12 ,B x 13
Exposure:Ha 240sec x 32 ,O3 240sec x21
Filter:Baader LRGB filter
Total Exposure:478min
Date:2021/10/11 22:36- ,
10/14 22:48-,10/23 @UDAリモート天文台

 

 

【星ナビ2022年1月号に掲載いただきました】

20221t

今回のM33は、星ナビに掲載をいただけました。ちょうど応募が多い時期だけに選んでいただけてうれしいです。

(上記のイメージは複数ページの掲載を1つにまとめて表示しています。)

O3フィルターの効果については、ここに書いてあるように、確かに銀河を捉えるためのものではないのでしょうね。

3年前にも掲載をいただけた相性のいい対象です。作品は手間暇をかけた分、多少なりとも進化してくれたのかなぁと思っております。

 

 

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2021年12月24日 (金)

IC405 410 ぎょしゃ座の散光星雲

ぎょしゃ座の定番対象 IC405と410です。

この時?旬の対象ですが撮影はもう2か月前にしたものです。

私が持っているモノクロCMOSカメラのセンサー(1インチ、フォーサーズ)ですと、両方の星雲を捉えるには、それなりの画角(短めの焦点距離)が必要です。
フルサイズのデジカメだとあまり心配しなくてよかったのですが・・

今回はFSQ85x Reducer (焦点距離328mm)とASI294の組み合わせでうまく画角がハマりました。


【IC405 410 ぎょしゃ座の散光星雲】


Ic405-4102  

この405と410ですが、同じ赤色の散光星雲でも微妙に色合いが違うようです。
これまで撮影をしていたデジカメ(改造タイプ)だと、あまり違いが判らないのですが、
モノクロCMOSで撮影するとBチャンネルでの違いがあるのか、410(右側 まが玉)はちょっとマゼンダ系?
405(左側)は赤と中心部は青・緑の輝度が高くて白くなる。。といった感じですね。
最近はほぼモノクロで撮影する機会が多くなりました。手間暇はかかりますが、モノクロの良さを痛感しております!
(彗星とかはデジカメがもちろん第1選択肢ですが)

 

撮影データ

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Title:IC405 IC410
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 20 20sec x8
R 240sec x 16 , G x 13 ,B x 18
Exposure:Ha 300sec x 20
Total Exposure: 271min +100min (371min)
Date:2021/10/5 3:10-,10/6 0:50- ,10/7 23:48-,10/8 0:25- @UDAリモート天文台


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2021年12月17日 (金)

M31 毎年のルーチン アンドロメダ銀河

【M31 アンドロメダ銀河 FSQ-85 x Reducer /ASI294】

  20211001-m31-lrgb-fsqxrd-asi294-blog

なんだかんだ?で毎年撮影をしているアンドロメダ銀河です。

今年は最も露光時間を多くかけました。Haもたっぷりと・・

今回は合わせて7.5時間露光となりました。昔の画像とかを混ぜるともっと時間は稼げるのかもしれませんが

ここ数年はFSQ-85と1.1Flattnerを組み合わせてデジカメ(D810A)で撮影していたので、なかなかブレンドは

むつかしそうです。(フラットナーのおかげで4隅まで星が丸いです)

今回はASI294をつかったので、Reducerをつけての撮影です。

中心部の明るいとび具合が、これまでの中の作品では最もお気に入りです。

 

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Title:M31
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 45 R x 16 , G x 13 ,B x 14
Exposure:Ha 300sec x 19 (Bin x2)
Total Exposure: 352min + 95min (447min)
Date:2021/9/27 21:00- , 9/29 23:29-,10/1 21:03- @UDAリモート天文台

 

 

【M31 アンドロメダ銀河 epsilon130D /ASI294】

M31-ep130-asi183

こちらは後日鏡筒をε130Dに載せ替えてから撮影したものです。

画角的にはやや窮屈な感じですね。

1日3時間弱の撮影となりました。ちなみに赤いプチプチが欲しくて上のFSQで撮影したHa要素を合成しています。

画像処理に再現性がない?ためか、少し色の雰囲気も違います。バックグランドの色合いも異なるようですね。

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Title:M31
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:ASI183 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50・QHY5Lii
Software:NINA,ASTAP,PHD2
Exposure:L 240sec x 11 20sec x8
R 240sec x 8 , G x 7 ,B x 8
Filter:Baader LRGB filter
Total Exposure: 165min
Date:2021/10/10 @UDAリモート天文台

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2021年12月 7日 (火)

【M103 NGC659,663,654 IC166 】 カシオペア座は散開星団の宝庫

【M103 NGC659,663,654 IC166】

カシオペア座の散開星団たち

 

M103-ngc659-663-6542

 

撮影データ

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Title:M103 NGC659,663,654 IC166 , Trumpler 1
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 14 20sec x 8 R x 8 , G x 8 ,B x 8
Total Exposure: 154min
Date:2021/10/3 , 10/4 @UDA

カシオペア座付近は、銀河の中にあることもあり美しい散開星雲がたくさんあります。

この対象はデルタ星 ルクバー(Ruchbah)の東側の領域にあります。

メシエ天体であるM103に加えて、見かけの大きさが一番大きなNGC663、その上下にはNGC659とNGC654があります。

そして散開星団ぽくない色合いのIC166があります。

なんとも地味な感じに仕上がりました。M103の上にある白い光芒は、デルタ星のゴーストです。

 

こちらは対象のネーム入りです。

M103-ngc659-663-654-info

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IC348【 ペルセウス座の分子雲、暗黒帯】

リモート天文台で薄明直後にせっせと撮りだめていたペルセウス座のo(オミクロン)星付近です。

画角が許せば、人型のようなNGC1333とセットで撮影をする対象ですが、今回は1インチセンサー、430mmで狙ったこともありこちらの領域を中心に撮影しました。

 

【IC348とB2、B3、B4、B5】

Ic384-ldb749

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撮影データ

Title:IC348
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 36? 30sec x 8
R 240sec x 16 , G x 16 ,B x 16
Total Exposure: 339min
Date:2021/10/1 ,10/2 @UDA

 

この領域は、あかるいペルセウス座のAlikの南にある散開星団IC348とその周りの反射星雲IC1985があり、
その周りには分子雲とバーナードの暗黒帯が広がるなんとも美しい領域です。

暗黒帯の周りの分子雲は、何度撮影してもマゼンダとブルーが混じったような色合いになり、輝星の周りはいろいろな色があってカラーノイズ?と思えてきます。今回は5時間半露光でしたが、さらなる露光が必要なのでしょうか。

分子雲が多いエリアに加えて、ο星の光に反射して複雑な色合いの反射星雲が周りに漂っているのでしょうか。


ちなみにバーナードの暗黒帯は A Photograhic atlas of selected regions of the milky way という本の中でB1~B370まで紹介をしています。

この領域には記念すべきB1~B5があります。(上の写真ではB1は右下にあるため写っていません)

配置としてはこんな感じです。

 

【Barnerd Dark Objects】

Ic384-ldb749-barnerd

 

こちらは、バーナードさんの書籍より・・・

 

20211206_143804019_ios

 

こんな感じで紹介されています。

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秋の対象 いろいろ撮影してました(処理も公開も放置気味・・)

気づけばもう12月・・・

10月、11月は結構天気のいい夜が続きたくさんの対象を撮影していましたが、ブログの更新どころか画像処理も

すっかり滞っていました。

画像処理は、リモート天文台を活用するようになったため、1日の撮影方法が遠征の時とずいぶん変わっています。

 

【遠征の時】

対象がまだ東の低い段階から撮り始め、西のぎりぎりまで撮影する。長時間露光をするときは、1台の赤道儀と望遠鏡で1対象か2対象を撮影。

 

【リモート天文台】

セッティングが楽なので、薄明終了と同時に撮影。最初は天頂付近にある対象を・・途中で秋や冬の対象が出てくるので、高度が上がったら撮影。 このルーティーンを何日か繰り返す。月が出たらナローバンドで同じ対象を撮影

という風になります。なので、何日間で撮影を完了とするかを決めておかないと、どの時点で画像処理に着手するかが決まらないためどうしても処理が後回しになってしまいます。

 

撮影するチャンスが多いのはとても素晴らしいことですが、画像データが溜まってしまいます(汗)

いまは1対象を4~6時間くらいの時間をかけるようにしています。(多い場合は7~8時間)

 

10月に撮影した対象の作品から主にRGBフィルターいくつかアップします。

ブログで後から検索をしやすいように、対象1つずつを記事として挙げる方式に変えます。

撮影対象は以下の通りです。よろしければ、次の記事をご覧ください!

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IC348

M103 NGC659,663,654 IC166

 ----まずはここまで

M31

IC405/410

 ----後日アップします。

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