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2021年10月

2021年10月17日 (日)

月夜のナローバンド

リモート天文台での撮影がようやく軌道にのってきました。

8月末に撮影が開始できました。

月夜(下弦)ということもあり、夜半まではRGBで、でもって、月が出るとNarrowBandで撮影という状況でスタートしました(笑)


【NGC7822】

★RGBバージョン★

 Ngc7822-new-rgb-l

「クエスチョン」の、上の部分「クエスチョ」です。これ、RGBで撮影したら何気に淡いですね。

デジカメでも何度か撮影をした対象です。

少し離れたところに「?」 の「.」マークがあるのですが、この画角では入りません。

気づけば結構な露光時間(L 300sec x 20 R x 11 , G x 11 ,B x 12 →合計露光時間270分)をかけています。

その割には淡いから、はっきりしない感じの仕上がりです。

北側はやや明るいこともあり、時間をかけないとS/N比は改善しないのでしょう。

 

月が出ている間は、ナローバンドを撮影しました。

さすがに「ド」満月の日はナローでもSN比を上げるのはむつかしいですが、とにかく枚数を稼ごうと晴れたら撮影を繰り返してました。

 

★ナローバージョン★

Ngc7822-sao-aoo-rgbblog

 

デジカメだと赤色1色ですが、NarrowBandでSAO+AOO 合成するとレインボーな色合いになります。

星雲中心部の構造がよくわかります。これがNarrowの醍醐味ですねぇ。

そもそもNarrowBandの色合いについては様々な意見があり、本来の色ではないということになるのですが、こんな風に星雲で輝いている部分が異なった波長を出している様子がわかるのは興味深いです。

Narrow Bandの画像処理は、
1.SAO合成 カラーシフト(PhotoShop)
2.AOO合成 カラーバランスの調整 x 上位レイアで20%合成
3.RGB合成 星の色を変更

といった流れで行いました。

 

撮影データ

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Title:NGC7822
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg45ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 300sec x 20 R x 11 , G x 11 ,B x 12
Exposure:Ha x 41 , O3 x 45 , S3 x 28
Total Exposure: 270min + 570min (840min)
Date:2021/8/30 9/1,9/6,9/9 @UDA

 

このように、軌道に乗り始めたリモート撮影。9月の終わりから、10月の初めにかけてとても天気が良かったです。

晴耕雨読ではなくて、晴撮雨処?で、晴れたら撮ろうということで連日撮影をしてました。

おかげで雨の日にやる画像処理が進んでいません(汗)

 

 

【星ナビ 11月号に掲載されました】

リモート天文台運用前に撮影したクワガタ星雲付近のNarrow Band作品を星ナビ11月号に掲載していただきました。

長い梅雨、8月の天候不順も続き、晴れたのは満月期ということもあってか、星ナビはNarrow作品が多数掲載されていました。

天文ガイドはDeepSkyの作品が少なめでしたね。全国的に撮影がむつかしかったのかなと推察します。

 

【Sh2-157 159 161 NGC7635(星ナビ 2021年11月号 掲載作品】

 

Sh2157-ngc7635-m52blog

 

クワガタ星雲~バブル星雲~M52 付近です。

定番構図ですし、最近はL-eXtremeフィルターのような、HaとOIIIの2つの波長を透過するデュアルバンドフィルターでの撮影も増えてますね。(その場合はクワガタのハサミの部分は白色になるようです)

撮影データ

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Title:Sh2-157 159 161 NGC7635
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50ED・ASIAIR Pro
Exposure:Ha 240sec x 19/ O3 240sec x 22/ S2 240sec x 18 Astrodon Fitler
Date:2021/8/7 22:30~@Konoyama

 

【WR134】

Rgb-hoo-blog

 

同時期に撮影した、白鳥座のγ星(Sadr)のη星の間にあるWolf-Rayet星とその周りにある反射星雲です。

HaとO3で撮影し、AOO合成をしました。

クレセント星雲(NGC6888)を照らしているWR136と同じように、超新星爆発直前?の星で太陽の何十万倍も明るい(絶対等級)星です。

この星雲は海外では、RingNebulaと呼ばれていて・・リングというよりは三日月なのですが、淡く円形に広がっているようでその姿を捉えるのはもっと露光時間が必要です。

実はこの対象を本命として応募しましたが、クワガタ星雲のほうを掲載いただけました。

晴れないといいながら・月夜でも撮影できるNarrowBand撮影に結構はまっております。リモート天文台で撮影したもの処理をしたらアップしていきたいです。

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