リモート天文台のファーストライト
8月末に急遽運用を開始したリモート天文台。。
前回の記事にあるように、まずは必要と思われるものを持ち込んで撮影ができる状態に。。
8月末、9月初めになんとか晴れた日があったので撮影をしました。
一度設置をしてしまえば、晴れていてさえすれば薄明と同時に撮影ができるのがいいところですね。。
ということで、リモートワークからのリモート撮影という感じで3夜にわたって、NGC7000を撮影しました。
【NGC7000 北アメリカ星雲】
この時期だとある意味好条件で撮影ができますね。フォトコンテストの場合は早撮りをされる方も多い(私も含めて)のですが、
8月9月は天頂付近を通るため、撮影に向いていますね。
Niftyの画像ファイルは3MBが制限なので、もともと(17MBのJpeg)をかなり圧縮しました。
さて、この対象を撮るのは久しぶりでした。
普通にデジカメでも、カラーCMOSでもよく写る対象ですが、Cygnus Wallや散光星雲のうねりを表現したくHaも含めて撮影をしています。
ちょっとモリモリで処理してみました。
【撮影データ】
Title:NGC7000
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:ASI294 Pro 1x1 bin /Gain200/ -10d
Mount:Vixen AXJ
AutoGuide:miniBorg50ED・ASIAIR Pro
Filter:Astrodon i/narrow
Exposure:L 240sec x 21 R x 15 , G x 11 ,B x 10 ,Ha 240sec x 21
Total Exposure: 312min
Date:2021/8/31,9/6,9/9 @UDA
@@@@
Exposure:L 240sec x 10 R x 4 , G x 4 ,B x 6
Date:2021/8/31 22:35~@UDA
Exposure:L 240sec x 3 R x 3 , G x 4 ,B x 4 ,Ha 240sec x 3
Date:2021/9/6 19:29~@UDA
Exposure:L 240sec x 8 R x 8 , G x 3
Date:2021/9/9 20:58
気づけは5時間超の露光となりました。
実はリモート撮影で最もむつかしいと感じたのがピント合わせです。
普段はオートフォーカス(EAF/ASIAIR Pro)とバーチノフマスクをつかって合わせますが、今回はどちらも使えないということもあり
かなりピントが合っているのかどうかに戸惑いました。
N.I.N.Aにもオートフォーカス機能がついてますが、時間もかかるのと、なんかとんでもないところでOKとか表示されるのであまり信用していないです。
そして、FSQという屈折タイプで運用していることもあり、温度変化も大きく難易度が上がっているように思います。
(ε130なら、スパイダーでピントがわかるので)
初日に撮影したものはピントが途中までずれていたので今回は星は大きめの処理となりました。(汗)
ということで記念となる1枚となりました。
今のところのリモート撮影の課題は以下の通りです。。
1.ピント合わせ。屈折の場合はなかなか正解がわからない。
現状では、オートフォーカスか、N.I.N.AのImage(撮像)タブにある
Toggle automatic star ditection and analysis (Half Flux Radius) On/Off
自動星検知、分析(HFR)トグルスイッチ
を使って、星の大きさを見ながらフォーカスポイントを調整していきます。
ここの動画にあるように、うまくフォーカスを調整できればいいのですが・・
何度やってもきれいな放物線は描かず、デコボコな数値となりエラーメッセージが出てしまいます。
(ZWOのEAFをASI AIR PROで使う場合は、うまく放物線を描いてくれます。何が違うのかな?)
2.子午線通過設定からの、自動フリップ、自動導入、シーケンス継続
今回は赤道儀Starbook10をASCOMで制御しています。Starbook側にも子午線通過の設定やScope(West or East)の設定がありますが、この制御と、N.I.N.A側の設定がうまく整合が取れてなくて、どうしても子午線越えの自動設定ができていないです。
これができたら、睡眠撮影も夢ではないですね。。
N.I.N.Aの設定には、シーケンス終了後には、自動でパークに戻して、自動でカメラの冷却を戻して、自動でふたをする(Close cover when sequence ends)という設定もあり、ふたの制御はともかく、パークや冷却オフなどとても便利な機能ですね。
3.現地で何が起きているか。。よくわからないことも。
タカSiさんが使われていたIRカメラと、IRライトをそのまま譲り受けることができたので、現地の望遠鏡の向きなどをリモートで見ることができます。ずっとライトをつけるのではなく、Switch Botで光源のオン、オフもできるのでいま望遠鏡がどこを向いているのかがよくわかります。ほかにもいろいろとリモートではできないことがあるので、この辺りは決定的に遠征とは違いますね。
ということで、ぼちぼち リモート撮影を開始した続報を投稿します。
なんだかんだでトラブルも多く、現地に何度か立ち寄りながら修正中です。。
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