銀河の分類 やってみた・・
5月最後の週末も、その翌週も結局のところ土日は晴れることなく過ごすことに。。
最近はリモート天文台を活用する方も周りの天文仲間でも増えてきて、平日でも寝ながら撮影ができる?リモート天文台がうらやましいと思っています。(私は自分でセッティングとかはとてもできそうにないので、一緒にやってくださる方がいればいいのにと思う今日この頃・・・)
撮影ができないので過去画像を何とかうまく組み合わせてということで、これまで撮影をしてきた銀河の写真を使って銀河の分類をしてみました。その前に銀河の分類についておさらい?です。
【ハッブル分類】
銀河の分類では有名なものに「ハッブル分類」があります。天文学辞典からその内容をそのままこちらに引用させていただきました・・
銀河を見かけの形によって分類する形態分類の一つ。 1936年にハッブル(E. Hubble)が提唱した。 楕円銀河(E)と渦巻銀河(S)に大別され、 さらに渦巻銀河は通常の渦巻銀河(S)と 中心に棒状構造のある棒渦巻銀河(SB)と の2つの系列に分類した。 渦巻銀河はほぼ回転楕円体である中心のバルジと 円盤(ディスク)とから構成されるが、 バルジ成分の割合や渦巻腕の巻き込みの強さなどから 早期型銀河(Sa)から晩期型銀河(Sc)などとより詳細に分類される。 ハッブルは、楕円銀河より扁平だが渦巻腕も棒状構造もない、 楕円銀河と渦巻銀河の中間の形態をレンズ状銀河( S0:エスゼロ)として仮想的に導入したが、 その後観測によってその存在が立証された。 さらに、数%の割合で存在する対称性の悪い銀河を不規則銀河(Irr)とした。 渦巻銀河とレンズ状銀河を合わせて円盤銀河ということがある。
ハッブルは彼の形態分類を例示する図を作成した。それは音楽で使う音叉を横にしたように見えるのでハッブルの音叉図と呼ばれる。音叉図で表される系列をハッブル系列という。音叉図で左にあるほど早期型、右にあるほど晩期型といわれる。これは当時、音叉図上で銀河が左から右へ進化するとの考えがあったためである。それが間違いであることはすぐに明らかになったが、「早期」、「晩期」という用語法だけは生き残っている。
【ハッブルの音叉図】
※天文学辞典より引用(https://astro-dic.jp/hubble-classification/)
このように、銀河の分類は
1.楕円銀河 (Ellipitical Galaxy : E0~E7)
2.レンズ銀河 (Lenticular Galaxy : S0)
3.渦巻銀河 (Normal Spiral Galaxy : SAa、SAb、SAc...)
4.棒渦巻銀河 (Barred Spiral Galaxy : SBa、SBb、SBc...)
5.不規則銀河 (Irregular Galaxy)
とその形状によって分かれるようです。星の一生とかとは違い、銀河の形状と進化の過程についてはあまりわかっていないようですが、楕円銀河が年老いた星の集まりで、最も進化した銀河の形状のようです。
そのほかにも、銀河同士の衝突などで作られた「相互作用銀河(Interacting Galaxy)」や「特異銀河(Peculiar Galaxy)」、渦巻銀河を真横から見た「エッジオン銀河(Edge on Galaxy)」、数十億個以下の恒星からなる小さな「矮小銀河(Drawf galaxy)」などがあります。
また渦巻銀河と棒渦巻銀河の間の形状となる中間渦巻銀河「(Intermidiate Spiral Galaxy:SABa、SABb、SABc...)」という分類もあるようです。
ポイントは、銀河の形状による分類というところです。矮小銀河とかは、球状星団とかにも似ている感じがしますが、組成する星の数が違うから銀河と呼ばれているようです。
・・・・と前置きが長くなりましたが、これまで撮影した銀河をこのルールに沿って分類し、一覧にしたものを作成しました。
こんな感じです。ぜひ拡大してご覧いただきたいので、画像を「クリック」してみてください。
見た目の大きさは、ほぼ同じ比率でサイズを調整(かなり適当ですが)しています。
宇宙に無数にある銀河の形はそれぞれ特徴があって、それをどの方向から見ているかによってこんな風にいろいろな形を楽しむことができるのですね。宇宙の神秘ですね。。。
カラス座にある衝突銀河とか、ステファンの五つ子とか近くで見てみたいなぁと非現実的な妄想をしながら、早く晴れた空の元で星を眺めたいなぁと思っています。
【2021年7月号 星ナビギャラリーに掲載いただきました】
撮影した作品がほぼ無い中で、こんな変化球の作品を星ナビさんに送っていたのですが、星ナビギャラリーに掲載をしていただきました。
見ていただけてうれしかったです。常連の・・というコメントもいただけて光栄でした。
※星ナビギャラリーに掲載いただいたのは、縦構図版(日本語表記)です。
もちろん、この画像はすべて自分自身で撮影したものです。ここ数年で撮ったものがメインとなっています。
ほかにもたくさんの銀河を撮影していますが、銀河だけ集めた写真集とか作ってみたくなりました。
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コメント
福島県の近内令一(こんない れいいち)と申します。突然コメント差し上げる非礼をお許しください。65年来の天文ファンです。Facebookのデジ天でいつも素晴らしい写真拝見しております。銀河形態分類、驚嘆いたしました。極めて美しく、同時に教育的です!大天文台の銀塩写真を我々の器械のデジタル写真が凌駕しつつあることが実感できて幸せを感じます。
さて、写真のキャプションで:
ステファンの五つ子のInteractingがIntaractingに、
LEO1のDwarfがDrawf
になっているタイポに気付きましたのでお知らせまで。
またよろしくお願いいたします。
投稿: 近内令一 | 2021年6月14日 (月) 13時04分
近内さん
コメントをいただきありがとうございます。あまり投稿できていないですが写真をご覧いただけているとのことで励みになります。
おっと。。ミスタイプが多発しているようですね。恥ずかしいレベルの間違いです。。
元画像に戻って修正をしてあげるようにします(汗)
投稿: くろ | 2021年6月15日 (火) 02時17分
くろさん、おはようございます。
自分で撮影するだけでなく、こうやって銀河の種類を系統立てて見るのも良いですね。撮影する目標も出来ますし。
ポスターとして部屋に貼って眺めています。
投稿: のんた | 2021年6月17日 (木) 07時36分
のんたさん
ご覧いただきありがとうございます。
いつも素晴らしい写真を撮影されているのん田さんのコレクションとかも、まとめると本になりそうですね。期待しています!
投稿: くろ | 2021年6月18日 (金) 17時35分
はじめまして。
私も、この小宇宙を丁寧に撮影しているのを見て感心しておりました。しかもどの写真も精彩で素晴らしいです。
私も、少しづつ銀河の撮影を始めているところですが、遅々として進みません。操作方法はようやく定まったので、L画像だけかろうじて撮影しています。カラー化は来年以降になりそうです。
進みが遅いのは、北海道に住んでいるので、一年の半分、冬の季節は毎日雪か曇りだというのもあります。10月から4月までは、オフシーズンです。
画像が甘くなるのは、AO補正をすれば改善できると、知人は言うのですが、手持ちの光学系は暗いので、0.1秒でのガイド撮影は無理なような気がしています。
いつか、くろさんの写真のように撮影できればいいなといつも思っています。
投稿: n2068dd | 2021年6月26日 (土) 07時52分
n2068ddさん
ブログをご覧いただき、コメントをいただきありがとうございます。
銀河の撮影をされていらっしゃるんですね。確かに冬のシーズンは撮影はむつかしそうですね。
銀河はシーイングに左右されるので、AO装置とかで効果がでるといいのですが。。
最近はAO装置は使わず、空の暗さよりシーイングのいい場所を見つけて撮影に行くようにしています。
投稿: くろ | 2021年7月 4日 (日) 13時39分