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2017年3月20日 (月)

新兵器の導入 -StarlightXpress AO Unit

春の長焦点シーズン到来?ということで、今回新たにAO装置を導入しました。

長焦点を撮影する上で、どうしてもガイド精度を上げて解像度も上げていきたいという思いが強く、いつもお世話になっている長焦点の神様?である兵庫のNさんもお使いの
AOユニット(補償光学装置)を導入することに。。
日本国内で買える装置は2種類?という中、天文ハウスTomitaさんで取り扱いをされているStarlightXpressのSX-AOを購入しました。

冷却CCDにガイドチップがついていれば便利ですが、私の場合は無謀にもデジカメでAO装置を使うべくいろいろとシステムを組んでみました。


【AOユニットの構造】

AOユニットの鏡筒側は、StarlightXpress社でFW用に準備されている3点ねじ止め式のメスリングです。
付属のものは、SCT用とM42のものがあります。できればM48でも接続したいので、こちらは別途ドイツのTS社で売っているものを購入しました。

Img_9490

AOユニットは、テーパーリングでOffAxisGuiderはユニットをイモネジで3点止めする使用です。
汎用的なサイズではないので、OffaxisGuiderを単体で使おうとすると、別途接続用のリングを個別に作る必要があります。 (残念・・・)

Img_9488_2

ガイドカメラはCマウントのねじ止め式で、プリズムの位置(図の①)とガイドカメラの位置(図の②)を調整するためねじがあります。
(長いネジとイモネジ)
カメラ側は、3点ねじ止め式のオスリングです。M72とM42が標準装備されています。こちらはデジカメ用のTリングに接続します。

Img_9752


【接続方法とアプリケーション】

AOとPCはシリアルポートからUSBに変換し接続します。
また赤道儀(Temma2M)からガイド用のケーブルをガイドポートに接続します
赤道儀とPCをUSBで接続し、ガイドカメラはそのままPCにUSBで接続します。
あと電源は100Vか、DC12Vで接続します。

Sxv_ao_connection_2

結構、線が増えますがこんなかんじで接続します。

AO装置のコントロールは、PHD2で行います。MaximDLでも制御ができるようです。
普通にPHD2で、ガイドカメラ→赤道儀(ASCOMのTemmaドライバ経由)→AO(COMポート指定)でつながってくれました。
コントロールの際は、ガイドカメラの画像転送遅延の影響を最小限にするために「サブフレームを使用する」を選択します。
これでガイド星を選んだあとは、その周辺の画像のみがカメラから送られてくるので早いレスポンスが期待できます。

露光時間はとりあえず1秒でやっております。このAOユニットをお勧めしてくださったNさんは、0.5秒くらいがおすすめとおっしゃってましたが、F10の暗い鏡筒ではなかなかガイド星がみつからず、1秒かくらいで始めております。(もちろん明るいガイド星があれば、0.5秒でいきたいです)

接続などは驚くほどあっさりでき、アプリケーションも問題なく動いてくれます。とはいえいくつかの課題があります。


【課題1 :光路長の調整】

EdgeHD800の直焦点は、推奨バックフォーカスが133mm、0.7XReducerの場合は105.5mmとシビアに決まっています。

今回導入したAO装置は、光路長は鏡筒側のアダプタリングを入れて74mm(実際の長さは78mm)です。(80mmという表示があるサイトもあります。)
単純に、ここにTringとEOSの光路長(11+44mm)を足すと129mmとなります。
鏡筒のSCTネジに直接接続すればいいのですが、AO装置がEdgeのピントノブと干渉してしまうので、SCT→M42変換アダプタ(14mm)を使って接続します。
結果としては143mmと推奨より10mmも長い光路長となってしまいます。
EdgeHD(00の場合、直焦点、APS-Cだと周辺まで非常に鋭い星像となりますが、小さな銀河をとらえるなら中心部が解像してくれればいいので許容範囲としました。

【課題2  :ガイドカメラのピント調整】

StarlightXpress社の冷却CCDをつなぐわけではないので、今度はガイドカメラのピント位置を後ろに持ってこないとダメになりました。
StarlightXpressの冷却CCDのバックフォーカスは17mmということで、ガイドカメラのUltraStarもこれにFitしているのでしょう。
EOSはもっと長いので、55-17=42mmほど延長が必要となります。

Cマウントでつかえるヘリコイドや回転装置を入手したりしましたが、この2つを合わせると42mmより光路長が長くなる結果に・・・。
ただヘリコイドだけだとくるくるとピント合わせとともにUltraStarが回転してしまいます。

AO装置の説明書によれば、鏡筒→AOユニット→ガイドカメラのRAの方向を合わせるようにと書いてありました。(あと撮影するカメラも?)
東西と南北の向きを水平(垂直)に保つということで理解しましたので、ガイドカメラの回転はダメとなりますので、微動装置なしでガイドカメラのピント合わせが必要です。
(神の手?)

という課題を抱えながら、トライを!と思っておりますが、新兵器を導入してからきっちりと晴れることがなく・・・
兎にも角にも悪条件のもと撮影を強行しました。


【M64 Black eye galaxy】

M64_480sec_x6_blog

こちらは、いつもの神野山で撮影したものです。雲が次々と通過し最後は全天曇りという条件でしたが、何枚か撮影できました。
Edgeなので、フルサイズは不適なサイズですが、さすが中心部はちゃんと移りますね。
デジカメでの撮影ですが、去年じっくり取ったCCDと同じ感じで仕上げることができています。

---
撮影データ

Title:M64
Optics:Edge HD 800 (f=2000mm/F=10)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 triming
Guide:SX-AO OffAxis Guider / UltraStar/PHD2 guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO3200 480sec x 6
Date:2017/2/24 @Konoyama




神野山に続き、大芦高原での撮影です。
シーイングはよかった?かもですが、とりあえず3等星がやっと見えるような薄雲のなかで撮影しました。
衛星画像をみると、真っ白な雲が通過中・・でなぜ星が見えているのか不思議な感じでしたが、さすが晴天率の高い岡山ですね。。。。


【M108】

M108_300x14

中心部付近をトリミングしています。
右下の明るい星の周りにはぼやっともやが出ていますね。薄雲の影響でしょう。

撮影データ
--
Title:M108
Optics:GSO8RC x 2inch flatner (f=1600mm/F=8)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 triming
Guide:SX-AO OffAxis Guider / UltraStar/PHD2 guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO3200 300sec x 13
Date:2017/3/3 @Ohashi



【M109】

M109_300x16_ao

こちらも中心部をトリミングしております。
なかなかむつかしい対象だと思います。比較的解像してくれたような印象です。

撮影データ
--
Title:M109
Optics:GSO8RC x 2inch flatner (f=1600mm/F=8)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 triming
Guide:SX-AO OffAxis Guider / UltraStar/PHD2 guiding
Mount:Takahashi EM200 Temma2M
Exposure:ISO3200 300sec x 15
Date:2017/3/3 @Ohashi


実は新しい鏡筒(GS2000 RC)をつかっての撮影で下。
オフアキのミラーケラレやら、周辺減光やらで、全く(本当に)フラットがあわず、バックグランドをグーンと落としました。
作品としてはとても残念な感じですが、シーイングの悪い場所で撮影をした作品にくらべると、天と地ほど星の大きさや銀河の詳細模様が違います。
単にシーイングの差なのか? AOの効果なのかはわかりませんが、やはり銀河撮影にはシーイングやガイドの精度が重要であることを痛感します。
是非いい空でじっくりと取りたいです。


【過去作品との比較】

上が今回の作品。
下2つは、それぞれ昨年作品

Img_9702

以前の作品はシーイング悪すぎ?ですね。
ともあれ、AO装置に期待が膨らみます。。

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コメント

これはいいものを手に入れられましたね。
画像もかなりの効果があるように思います。

私は他のAOですが、何と言っても明るいガイド星が見つかるかどうかが問題で、焦点距離が長くなるほど厳しくなりますね。

これからのリポートを楽しみにしています。

投稿: 秋野 | 2017年3月24日 (金) 21時58分

秋野さん

コメントをいただきありがとうございます。
すでにAOをご活用なんですね〜。
是非また成功のポイントなどをご示唆いただけると嬉しいです。
本当にガイド星次第?の装置ですが、ハマるといいことがありそうなので、ぼちぼちトライしていきたいです。

投稿: くろ | 2017年3月25日 (土) 10時25分

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