モザイク撮影はむつかしい
10月末からの新月期には、何とかはれてくれたこともあり、3回遠征をしました。
そのあと、画像処理ができておらず、ブログの更新も遅くなってしまいました。
まずは10月末です。
この日もいつもながら天候が安定せず、さてどこに遠征しようか?いつもの皆さんは大台ケ原へ。。ただ冬型のため天気が微妙です。
そこで迷いながらKiriさんに相談したところ、別のスポットに撮影に行かれるということでご一緒しました。現地ではkkzakさんもいらしていて、いつもながら暖かいコーヒーを頂戴しました。Kiriさん、kkzakさんありがとうございました。
さてこの撮影場所は、大台ケ原に比べると、やや明るいのですが、湿度も低く、夜露なし、雲の通過もなく、本当に久しぶり1夜安定した空となりました。
FSQ85 EDとε130Dといつもの2台体制で臨みます。
FSQはReducerを付けて、2つのターゲットをメインでねらいました。
一つ目はNGC1333です。
【NGC1333】
分子雲の領域を初めてトライしましたが・・
なんともむつかしいですね。撃沈です。没にしようかと思いましたが、せっかくなのでアップしておきます。
オリジナルサイズは、こちらをご覧ください。
ちょっと彩度を上げすぎ?でしょうか。メインターゲット?のはずのNGC1333がズーンと沈んだ感じですね。もう少し解像度を高く取りたかったです。このくらい暗いところはデジカメだとむつかしいのでしょうか。
撮影データ
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Title:NGC1333 / IC348
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 <modified>
Exposure: ISO3200 150sec x 69
Date:2016/10/29@Kawakami
さてもう一つは、先日大芦で撮影をしたバラ星雲の北側にあるコーン星雲、クリスマスツリー星団の領域をモザイクしたものです。
【NGC2264 2261 IC2169 / NGC2237-9 , Cone nebula /Rosetta nebula】
モザイクの構図ですが、右側によっていてコーン星雲の周りの散光星雲がはみ出してしまっています。
言い訳になるのですが、ここの領域は最初にバラ星雲のみを撮影していて、そうしてもフレームの端っこに持っていくことができておらず、そのあと北側の領域を撮影したためこのような残念な結果に・・。画像処理がなかなか進まなかったのはこのあたりの理由からでしょうね。
でも135mmとかのカメラレンズをつかっての撮影ではなく、FSQでのモザイクとなるので本当に星がきれいに写ってくれます。
大きなサイズはこちらをご覧ください。
画像処理では、コンポジットしたものを処理していることもあり、明るいバラ星雲と淡いコーン星雲の領域でバランスをとるのがむつかしかったです。
バラがやや飽和気味になっているのが反省材料です。
撮影データ
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Title:NGC2264 2261 IC2169 / NGC2237-9
Cone nebula /Rosetta nebula
Optics:Takahashi FSQ-85ED x QE0.73(f=328mm/F=3.8)
Camera:Canon 6D SEO-SP4 <modified>
North
Exposure: ISO3200 150sec x 32
Date:2016/10/29@Kawakami
South
Exposure: ISO3200 150sec x 18
Date:2016/10/29@Kawakami
Exposure: ISO3200 150sec x 14
Date:2016/10/10@Oashi
【IC405,410】
さてもう一つの鏡筒であるε130では、ぎょしゃ座の勾玉星雲近辺をモザイクすることにしました。
事前にステラナビゲータでモザイクのパターンを考え、望遠鏡を向ける座標まで決めて現地入りしたのですが、残念なことに・・・
思った角度と実際に撮影した結果がくるっていたため、最初に撮影した32枚は変な写野となってしまい、取り直す羽目となりました。
それでも微妙に南に構図がずれていて、なんとも中途半端な作品となりました。
写野が南にずれていて北にあるM38が写ってません。。
ステラナビの使い方がよくわかっていなかったためか、カメラの写野がどの向きに向くのかがわかりませんでした。
モザイク表示の設定では、
写野角の向き
・極方向にそろえる
・天頂方向にそろえる
・常に平行を保つ
なんてものがあります。
この設定を変わると、まさに写野角がかわるのですが、そう単純な話ではないと思っています。
というのも、表示形式によってこの写野角で囲まれた領域が変わってしまうのです。
ちなみにデフォルトで選択されている地平座標のままだと、天頂方向にそろえていても、背景にある星図を動かすと、まるでカメラを回転させているかの如く、ぐるぐると回転してしまいます。これでは、実際に赤道儀に乗せてモザイクするときと全く違う写野角になってしまいますね。
(ここまで書いてもう一度調べてみたら、デフォルトの地平座標でも今度はちゃんとカメラの向きを一定にしたまま星図だけが動いてました。。うう~ん。さっきの挙動と違うのですが? 勘違いだったのか?)
いまいろいろと調べていてようやく気付いたのですが、赤経座標にすれば、カメラを東西方面に横向けて付けた時の写野とあいますね。
(ということで地平座標でも大丈夫そうです)
ということで基本的には極方向にそろえるを選択しあとはモザイクする領域でどのあたりを狙うかを決めればいいことになります。
例えばこんな感じです。
これでいけば上下2枚モザイクで、ばっちりとコーン星雲領域とバラ星雲が取れることになります。
が・・しかし、実際私がモザイクしたのはこの領域でしたが結果は見ての通りです。
あと一つの問題は、星雲の輪郭が写し出されるところは、輝度によってかかれていることから、実際に画像処理をした場合に移る範囲とは大きく異なるということです。
この場合だと、ステラナビで見た画面だとバランスよく星雲が配置されているような気がするのですが、実際に撮影するともっと東側に星雲が広がっているのではみ出してしまうことになります。
輪郭が全く表示されないところだと逆に、きちっと準備をするのでしょうが、中途半端に表示されていると、それをみて画角を決めてしまいそうです。
ちなみに勾玉の場合は、こんな感じになります。
上がデフォルトで見た場合(ただし輪郭はOn)
真ん中が星雲の等級限定を外した場合(デフォルトは12等級まで)
下が実際の領域
ソフトの星図をみているだけでは、大きな勘違いをしてしまいそうなのでこれからはかならずメジャーな天体でも撮影された写真をの突合をしていきたいです。
それにしても、ステライメージの真ん中にある輪郭はいったいどの部分をさしているのかは比べてみても謎です。
【IC2177/Seagull nebula】
最後は薄明までの時間を使って、おおいぬ座のカモメ星雲を撮影しました。
1か月前の撮影ですから、そのころだと初物?狙いですね。
時間がやや不足していますね。
大きな画像はこちら
こちらは後日追加で撮影したものもあるので、引き続き処理していきたいと思っています。
撮影データ
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Title:IC2177 /Seagull nebula
Optics:Takahashi Epsilon 130D(f=430mm/F=3.3)
Camera:Nikon D810A
Exposure: ISO3200 180sec x 32
Date:2016/10/29@Yoshino
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