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2016年3月29日 (火)

EM200 Temma2M、QHY 5L-II、PHDguiding2でのオートガイド

11月のEM200 Temma2M導入以来、試行錯誤してきたオートガイド環境ですが、ようやく何とかやり方が見えてきました。

ここに失敗した原因を備忘録として記述します。自分自身のメモとして記述しますが、もしご覧いただけた方にとっても何らかの役立つ情報があればいいかな・・と思います。

ちなみに、PHDGuidingのHPでは、非常に参考になる基本的なチュートリアルが公開されていて、これを読むとトラブルシュートに非常に役立ちます。ここに書かれている内容なんかも参考にしながら、試行錯誤をしてきました。


【オートガイドの注意点とガイドエラーの原因と対策】

1.ガイドカメラの接続ケーブル不良

キャリブレーションをしているときにRA方向のみで、DEC方向に全く動かないという事象がありました。
この原因としてよくあるのが、赤経(DEC)ガイドモードをOffにしてしまって、RAのみのガイドをしているケースのようです。

Blog1

通常は、デフォルトではAutoが選択されていますので設定を触らない限り問題はありませんし、実際私のエラーもこれが原因ではありませんでした。

エラーの原因は、ガイドカメラの接続ケーブル不良でした。
別のケーブルを使うと問題なく作動したので、いつもお世話になっているKYOEI大阪さんで交換をしてもらいました。
この手のトラブルはPHDguiding2の手動ガイドで東西南北の方向に動くかどうかをみたり、USBケーブル不要は予備のケーブルを使えばすぐに確認できます。
購入したてのケーブルと安心していたのも悪かったのですが、切り分けテストは基本ですね。


2.PHDguiding2の設定 ~カメラとマウントの選択は何がベスト?

PHDを起動して最初に出てくる画面で、カメラやマウントを選択するものがあります。

最初はPHDGuiding2では、
 カメラ:QHY 5L-II Mono
 マウント:On Camera
といったパターンや

 カメラ:QHY 5L-II Mono
 マウント:ASCOM Camera

というパターンでオートガイドを試してきましたが、マウントでOnCameraを選択するとQHY 5L-IIはコントロールがうまくいかない・・といった事象があるようです。
この場合は、マウントを ASCOMにしましょう~というのが、購入したガイドカメラの取扱説明書での対応策です。
そしてこのほうが確かに安定するようで、2つめのパターンでガイドを行うことにしていました。

ところが、新たな問題が・・・


3.PHDguidingとステラナビゲータのコンフリクト

EM200とTemma2Mとしたことで、VixenのようにStarBook10とアドバンスドユニットは使えません。
したがって、オートガイドと自動導入の機能をパソコンで制御することが必要となります。
自動導入は、すでに使っていたステラナビゲータを使用します。

しかし、この2つのソフトをASCOMで制御することで、今度はオートガイドや自動導入がうまくいかなくなる事象が・・

アストロアーツのHPには既にこの事象のこととその対策が書かれています。ASCOM POTHを使うか、ASCOM temma driverを使えとのことです。

う~ん。確かに同じくタカハシの赤道儀を使っていらっしゃるMarkunさんは、ステラナビによる自動導入はうまくいかない・・とのことで、手動で対象を導入されていらっしゃるのですが、私みたいにメシエ天体撮影マラソン・・とか1晩に何対象も撮影する場合は、手動導入は厳しいのでなんとか自動導入をうまく作動させる必要がありました。


4.ASCOM Temma driverの使用

所属するFacebookの「デジタル天体写真」グループの方々に相談したところ、私と同じ環境(EM200 Temma 2M/QHY 5L-II)を使っている方から、ASCOM Temma driverを使ったら・・というアドバイスをいただきました。
やはり先人の教えを乞うというのは、問題解決までの時間が早まります。
皆さんご存知のことを惜しげもなく公開&説明いただき、本当に感謝です。

このアプリはfreeですが、英語版のみなのでよくわからないままインストールしました。
同じサイトに、丁寧な説明書があります。

かつ、日本語のブログにも解説してくださっているところもあって(ascom temma driverとかで検索すると出てきます。)、そちらを拝見すると何とか使えそうです。

PHDGuiding2の選択はこんな感じです。

Blog_2

赤丸がついているところをクリックすると設定画面が表示されます。

このDriverの便利なところは、PHDguiding2のMountとステラナビゲータの望遠鏡で使用することができます。望遠鏡のコントロールはすべてこのTemma Driverで制御できますので、ガイドカメラとTemmaをつなぐ6ピンのケーブルがいらなくなります。
(USBケーブルのみでOK) あのケーブルのアダプタ高かったのですが。。orz...まあこれも勉強代でしょうか。

Blog_3

さて私自身はあまり細かな設定はできていないのですが、使っているのは、
 ①Powerで12Vを選ぶ
 ②Mount TypeでTemma2Mを選ぶ
 ③Serial PortでTemma2Mと接続をする。
 ④望遠鏡を天頂に向け、Scope OrientationでEast/Westどちら側に望遠鏡があるかを選ぶ

以上です。Scope Saftyとか、Starbookでいうところの、子午線越えの設定にあたるものなのでしょうか・・
まあ子午線を超えてどこまで撮影を続けるかは、手動で対応するのでこのあたりはとくには触っておりません。

接続手順ですが、PHDguiding2(カメラ:QHY 5L-II、マウント:ASCOM Temma Takahashi)→ステライメージ(望遠鏡コントロール:ASCOM Temma Takahashi)としています。
これでなんとかオートガイドと自動導入をコントロールすることができました。


5.極軸あわせの精度向上

極軸合わせ精度の向上といえば、PoleMaster。
PoleMasterといえば、ガイド安定のための機材。。
というぐらいの認知度になっていますね。
こちらはQHY総代理店の天文ハウスTOMITAさんから発売されていますが、確か去年の10月にはいつもご一緒するNOBさんが、海外のリセーラーから購入されて使われてました。
ということで、最近の祭り?ムードに乗っかりさっそく導入をしてしまいました。

初めての極軸追い込み・・は、すでにご活用されていたNOBさん指導のもと、ご一緒した周りの皆さんの注目を浴びる中、実施しました。
他のBlogなのでもこのPoleMasterの使い方などはすでに紹介されていて、動画なんかもアップされていますが、とても使いやすいです。
極軸合わせ自体は、5分くらいでおわりました。そして極軸望遠鏡のみで合わせた天の北極がずれていたことがよくわかりました。(汗)

3月に入ってからPolamasterを使うようになり明らかにガイドが安定したとおもいます。
余談ですが。。ばっちり極軸もあわせ、大きなエラーがあまりないにもかかわらず、突然のガイド大幅エラー。。
なんて事象が生じたのですが、原因は赤道儀のロックがゆるゆる(DEC、RA双方のネジがです)ということがありました。
そりゃあガイド中に重さでちょっとずれる・・なんてことは普通におきますよね。

実際にガイドグラフは安定していても突然暴れることで星の形がいびつになる。。。
ガイドは波を打ちつつもガイドエラーは写真を見る限りあまりわからない。。
といったことが起きていました。
基本中の基本ができないとダメダメと思い知りました(泣)


6.ガイドグラフの乱れ(pixel)とガイドエラーの実態(考察)

現在ガイドカメラは、QHY5L-IIを使っていますが、センサーサイズは1/3inchと小さく、ガイド星のちょっとした揺らぎでもエラー補正がされることから、ガイドグラフが大きく波打つような印象があります。

Blog5_2

PHDguiding2からは、カメラのセンサーサイズやガイドスコープの焦点距離を入れると、ガイドエラーの幅をPixelからArcsecに変換して表示してくれる機能があります。
ちゃんと設定をしていないために、実際のガイドエラーの幅がどのくらいであったかがよくわからないのですが、過去に設定していたことからLogを見ると以下の式が成り立つことがわかりました。

 センサーサイズ=3.75ミクロンx3.75ミクロン
 ガイド鏡焦点距離=325mm

 PixelScale  2.38arcsec/Pixel (ガイドエラーのピクセル値)

某サイトにはこんな式がありました

 PixelScale= PixcelSize(mm)x206265 /Focal length

ということで、ばっちりあいますね。。

なので、このグラフにあるように
 RA平均  0.36 pixel
 dec平均 0.38 pixel
 Total  0.55 pixel

であれば、

 RA平均  0.85 arc sec
 dec平均 0.90 arc sec
 Total  1.39 arc sec

ということになります。2000mmで撮影するのにどのくらいが許容範囲なのか?
よくわかりません。ただDec方向はなんでこんなに波打つのかなぁと思います。
シーイングが影響して無駄な補正をしているような印象を受けました。

ちなみに、SXD2で使用しているWatecの910Hxは、
繊細サイズ=     8.4ミクロン(H)×9.8ミクロン(V)
とあり、数式によると

PixelScale=0.009 x 206265 / 325 =5,712 

となります。
つまり0.3Pixelのズレであっても、秒角は1.71arcsecとなり、かなりずれてしまうことがわかります。
PHDGuiding1のグラフでは、縦軸はPixelになっていると思いますので、焦点距離やガイドカメラのセンサーによって、そのずれがどのくらいの影響があるのかを試算してみる必要がありますね。

6つ目は非常に長くなりましたが・・・
結論 小さなセンサーのガイドカメラでオートガイドするときは、シーイングなどの影響を受けやすいことに加えて、pixelでみたズレは大きくなることから、
「ガイドグラフに一喜一憂しない!」それより、ちゃんと赤道儀はセットアップ、クランプが締めてありますか? が大事!です。

最後におまけですが・・・
なぜか突発的なガイドエラーが起きるのは、パソコンを動かしたとき(望遠鏡につないであるケーブル自体は動かず、USBハブがちょっと動く?)だったり、
モニターがoffになったあとに、パソコンが再びアクティブにした瞬間だったり・・と
ほんま? というタイミングに起きていました。 因果関係があるとは思えないのですが(笑)。今度検証してみます。

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コメント

くろさん
EM-200T2Mの安定稼働おめでとうございます。
新機材はやはり安定稼働までには多少の時間を要しますね〜。
私も、赤道儀はそれ程時間はかかりませんでしたが、
鏡筒はクセのある鏡筒が多いので、3-5ヶ月程度は
安定稼働までの時間を要してます。
今度のGINJI300FNは果たしてどれだけかかるか💦
まぁ、その辺は安定稼働までの過程を楽しむというスタンス
でポチポチやっていこうと思ってます。
くろさんは2台体制の本格稼働で、コンプリートされたメシエ天体写真カタログのさらなる高画質化を目指されることと思いますので、期待してます。

投稿: 天文中年 | 2016年3月30日 (水) 09時41分

天文中年さん

コメントありがとうございます。
オートガイドの件では色々とアドバイスをいただきありがとうございます。
なんとか癖がわかってきました。

赤道儀はメーカーやコントローラーによってやはり違いがありますよね。
そして鏡筒も同じくですね。

あと巨大な大砲を観れるのを楽しみにしております。
是非惑星を見てみたいです。

投稿: くろ | 2016年3月31日 (木) 18時27分

はじめまして。時々ご一緒させて頂いているfurumiです。
DECの暴れ、気になりますよね~。 
私もPHD Guidingのパラメータといつもにらめっこ状態です。
ちなみにPolaMasterを使うとグラフのDec側のブレの平均値が落ち着く?感じでしょうか。

投稿: kfurumi | 2016年4月 1日 (金) 01時34分

furumiさん

こんにちは、神野山や今庄ではお世話になりました。
あとブログにあげられている詳細なレポートも大変興味深く拝見しました。
polemasterで極軸を追い込むとガイドブラフは安定してきます。
ただガイドブラフの乱れ(平均)とガイド結果は必ずしも伴わないという事が言えるのかと思います。

以前ガイドは1秒角におさまっているのに、どんどんと星が流れたり
ガイドはやや不安定でもきっちり丸く写るということもありました。

やはり極軸合わせの精度は大事なのかなぁと思っております。

投稿: くろ | 2016年4月 1日 (金) 12時38分

furumiです。
くろさん
PolaMasterを使った際の良い感触は、わかるような気がします。
私はPhd guidingでDrift Alignmentで精度向上にトライしてみます。
(自動導入精度も多少はあがるはずですし。。。)

投稿: furumi | 2016年4月 1日 (金) 23時46分

くろさんこんにちは
>それより、ちゃんと赤道儀はセットアップ、クランプが締めてありますか? が大事!です。

力技で、人生過ごしてきたので、脳味噌を使う難しい計算はペケですが、勇気付けられました。(爆)
実際、結構、ネジの緩みってありますね。
オートガイドしていて、撮影カメラから星が消えたこともありました。
翌朝見たら、鏡筒取り付けがガタガタでした。(汗)


>パソコンを動かしたとき(望遠鏡につないであるケーブル自体は動かず、USBハブがちょっと動く?)だったり、
某社の3万円のノートPCを使って居る時、少しUSBコネクターが緩(ほかのPCに刺せば確り刺さる)く、カメラが無い警告等、ガイドが乱れパなしでした。
ノートPCのUSBが緩いので、枕元PCに降格人事しました。
何か、その辺にも原因・要員ありそうですね。

凄く参考になりました。
そっくり、印刷させていただきました。(笑)

投稿: オヤジ | 2016年4月 2日 (土) 09時25分

furumiさん

Drift Alignmentができたら、怖いものなしですね。。
私は楽なほうへ流れてしまいました。
それにしても週末晴れませんね。。
来週こそは!

投稿: くろ | 2016年4月 3日 (日) 22時45分

オヤジさん

コメントありがとうございます。
ガイドエラーの原因は先人の方がおっしゃる通り基本的なことが多いんですよね。

それにしてもやはりPCのUSBって怪しいですよね。
便利な分接触がどんどん悪化すると扱いができなくなるのでポイントと思っておりました。

投稿: くろ | 2016年4月 3日 (日) 22時47分

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