« M77/78 秋のメシエ天体 at 今庄 | トップページ | 冬の散開星団 Vol.1 ~ M35,M41,M46,M47 »

2015年11月17日 (火)

憧れの赤道儀 ~EM200 キター!

晴れない日が続きますね~。
本当に今年は夏も秋もスカッと晴れていい写真が取れた~。という日はほとんどないまま冬を迎えそうです。(泣)

こう天気が悪いと?、悪い癖が・・ということで、誰もが憧れるあの薄緑の赤道儀をゲットしてしまいました。

Img_6475

SXD2はEdge800の直焦点やレデューサを入れた撮影だと、どうも安定しているときとそうでないときがあって、原因はよくわからないままごまかしながら使っておりました。
そして少しの風でガイドエラーが・・・・。いつもやけくそ?になって風が吹いたらフードを外して撮影なんてこともありました。

長焦点でのガイド精度を高めたい・・と思いでたどりついたのがタカハシのEM-200です。

中規模の赤道儀では抜群の実績とパフォーマンスは折り紙付きですね。

できればStarbook10+アドバンスドユニットを使えるVixenの赤道儀がよかったのですが、SXPは周りの皆さんのお話では、風に弱い・・そして最高峰のAXDは、金額もさることながら、はっきり言って重すぎて取り扱えない・・ということでEM-200に決定!です。


【望遠鏡を載せてのセットアップ】

組み立てて見ると、最初に驚くのは、クランプを緩めたら「あらら・・」というぐらいに動くところです。SXD2は少々なことでは動じない!くらい、渋めでしたから。
でもこのくらいのほうがバランスは取りやすいです。

とてもシンプルな作りで、コントローラもすごくレトロな感じですが、必要な機能はついていますね。
極軸望遠鏡の合わせ方も、水平だしも驚くほどシンプルなので手順が間違っていないか不安になります。とりあえず説明書通りにセットアップ終了。


【ステラナビゲータによる自動導入】

Starbook10に慣れきった私には、手動導入は無理~。ということで、パソコンとの接続ケーブル(純正を強くお勧めされました)を購入し、ステラナビによる自動導入を使います。こちらも驚くほどシンプルでした。
鏡筒を「天頂」に向ける というのがどうすれば精度を高められるか今一つわかっておりませんが、対象の天体を導入してずれても、修正することで天体導入もスムーズにできそうです。


【PHDGuidingによるオートガイド】

今回私にとっての最大のチャレンジは、アドバンスドユニットからパソコンにオートガイドの制御を移すということろです。
アドバンスドユニットにつないだ、ガイド用CCDカメラ Watec910HXは、「反則でしょう」と思えるほど感度が高く、オフアキでもガイド星が見つからなかったことはありませんでした。

今回は、ガイドカメラをP.S.Tで太陽撮影に使っている QHY5-iiで行います。センサーサイズが1/2のタイプで、QHY5-Liiと並んで、このガイドカメラも使っていらっしゃる方は多いと思います。ただ残念ながらオフアキでは星を見つけるのはかなり大変でした。
まあWatec910HXとかだと、オリオン星雲に向けると、その見事な姿がStarBook10のガイド用モニターに映し出されるくらいなので、比較にはならないです。

仕方がないので、親子亀方式で、Borg71FL(f=400mm)をガイドカメラで使い撮影することとしました。
何とか視野にガイド星を入れることができましたが、方向によってはガイド星が見つからないなんてこともあるのかと少し心配な状況です。
もしかしたら、これも太陽撮影に使っている ASI120MMのほうがセンサーサイズも小さく、感度が高いのでこちらのほうがいいかもしれませんね。
そして鏡筒はEdgeHD800xReducer(f=1400mm)でしたが、焦点距離の組み合わせとしてガイドは大丈夫?かどうかもチェックポイントです。


【ファーストライトは失敗の連続】

晴れを願って週末遠征した神野山でファーストライト!
これまでのSXD2+Starbook10+アドバンスドユニットというデジカメだったらパソコンいらずのとても素晴らしい環境を捨てて・・。
自動導入(ステラナビゲータ)と冷却CCDカメラの制御とオートガイドを1台のパソコンで行う新しいチャレンジは、これまでとは大違いです(汗)

やはり問題はこのアプリ・・・PHDを使っている途中に、アプリが応答なしになるといった問題が発生。どうやらパソコンのモニタ(ハードディスクではない)の電源が切れるたびにPHDが止まっているようです。
そんなこともあろうかと今回はセルフパワーのUSBハブを使っていたのですが。
その影響があったのかもしれません。
ともあれモニター電源を切らない設定に変えて何とか無事動いてくれることがわかりました。
天文中年さんによれば、USBハブも使わないほうがいいとのことですので、なかなか面倒なアプリですね。そしてパソコンモニタが消せないのは、バッテリーの問題などから問題ありです。(怒)

この日は晴れるのかと思わせるGPVの予想に反して、次から次へと雲が流れる空でした。ガイド星をPHD君が見失うたびに、「ポーン ポーン」と虚しくエラー音が鳴り響くような環境で、撮影を強行しました。




【M33/さんかく座の銀河】

M33_edgex07_1400mm_3b

雲がバンバン通過してましたが、ガイドは比較的安定(もちろんガイド星ロストの時はノータッチのため、5分露出で星は動いてました)していた方かと思います。
PHDのグラフを見ても、ガイドエラーが多いのか少ないのかその辺の感覚がよくわかりませんが、雲さえ通過しなければ安定しているようです。多少の風でも大丈夫でしょうか。

撮影初めて1時間ちょっとで完全に曇ったので、撮影は途中で強制終了。
奇跡的にLRGBすべてのフレームを撮影(雲通過有含む)できたので、記念スタック&画僧処理をしました。(普段だとつかわないようなライトフレームもとにかく使いました。あとダーク撮り忘れで過去分を使いまわしたらこれも合いませんでした。。。)

--
撮影データ
Title:M33
Optics:EdgeHD800 x0.7 reducer  (f=1400mm/F=7.0),
Camera:QHY9,Astrodon Tru-Balance
Exposure: L:300secx6(1x1)+RGB:300secx2(1x1)
Mount:Takahashi EM-200 Temma2 M / PHD Guiding
Date:2015/11/15 @Konoyama


そもそも、1400mmでM33を狙うという設定にミスがありですねぇ。画角に収まりませーん。そしていつものように構図が決まっていないので、中心を外しちゃってますね。
でも何とか記念撮影&アップできたので、奇跡?かもと思えてきました。

もっといろいろ使って、自由自在に操れるようになりたいです。

そして週末晴れてくれることを切に願います。

| |

« M77/78 秋のメシエ天体 at 今庄 | トップページ | 冬の散開星団 Vol.1 ~ M35,M41,M46,M47 »

コメント

こんばんは、くろさん、
終にとっ言っては失礼かと存じますが、EM200を手に
されましたか。おめでとうございます。
EM200を手放して10年になりますが、使っていた
あの頃を懐かしく思います。今のテンマになる前の機種
だったので、導入は全て手動で暗い対象は目盛環を使って
やっていました。ガイドもオートガイダー無しの手動で
ガイドをしてました。(後にはST4を購入)
今までやっていた経験があるから、この重たさには直ぐに
慣れる事でしょう。女性には決して軽い赤道儀ではないと
思いますので、怪我には気を付けて下さい。
以前友人が足の甲に落として大怪我をしていますので。
それにしても1400mmのM33は大迫力ですね。

投稿: 山本 | 2015年11月18日 (水) 01時54分

くろさん
改めて、EM-200TM2ご購入おめでとうございます。
女性の方でこのような重い赤道儀に行かれるのは
凄いです。
撮影スキルと画像処理スキルは男顔負けなので
まあ、技量にマッチした赤道儀だと思いますが。
ファーストライトのM33も素晴らしい出来映えですね〜。
神野山でも、長焦点+CCDだと問題無いくらい素晴らしい写りですね。
私も来年はCCDかなぁと思いますね〜。💦
ちなみ私のAXDですが、男の私でも辛いくらい重いです💦
まあ、設置すれば問題無いですが、三脚への上げ下ろしがキツイ💦
当分は、長焦点限定ですね。
FSQ106EDが戻って来たら、
GINJI150FN,SKY90,FSQ106ED
の3本の内2本セレクトして、マルチプレートに載せて
一台2本体制でも試そうと思ってます。
本命はFSQ106ED+SKY90ですかね。
実家を整理してたら、古いタカハシのガイドマウントが
出て来ましから、これにSKY90なら問題無く載りそうです。
並列撮影は同視界にしなければなら無いので、軽い方の鏡筒を調整出来ようにしないと💦
まぁ、色々と頭の中は巡ってますが、とりあえず
実践したいです。
今週末は月も太いですが、土曜日の夜か日曜日の夜に晴れて欲しいですね〜
今のところ土曜日の夜が予報良さそうですが
また、遠征よろしくお願いします。

投稿: 天文中年 | 2015年11月18日 (水) 07時10分

山本さん

ありがとう。まさに満を持してのヒーローヒロイン?)登場です。レトロな感じが逆に安定感を感じる要素になってますね。
手動導入に手動ガイドは大変ですね。PHD使いにくいとか文句を言っていたら怒られそうです。
確かに落とすと骨折しそうですね。ディープサイクルは26kgくらいあるので、そちらも扱う時は注意をしないと、、

投稿: くろ | 2015年11月18日 (水) 08時28分

天文中年さん

ありがとうございます。
天文中年さんのAXD購入を目の当たりにして、限られた快晴の暗夜で撮るなら早く新システムに移行すべしと、勢いでがま口を壊してしまいました。
私ももっと力があればAXDとかを扱ってみたいです。天文中年さんには是非、FSQ106とε130あたりを同架いただいてカラーアシストで狙って欲しいです。

さて週末の天気はいかがでしょうか。今週末こそ!

投稿: くろ | 2015年11月18日 (水) 08時34分

オヤジには、夢のEM200、「キター!」が感情を十二分に表現されてますね。(爆)
鏡筒以外のソフトハードは、総入れ替えになると思いますが、早速成果をお出しになって、M33素晴らしいと思います。
おめでとうございました。
所で、梅雨時と夏は、こんなもんだろうと天気は諦めておりましたが、冬になっても、全然だめですね。
ゴリラエルニーニョの仕業でしょうか。
動作確認程度の観測はできてますが、習熟が全然できません。(汗)

投稿: オヤジ | 2015年11月22日 (日) 11時04分

EM200TM2購入おめでとうございます。
タカハシの際とで見ましたが、あまりの売れ行きで品切れになったようですね。
私も年とともに重さが堪えるようになってきましたが、安定性は抜群です。
天頂付近からではなくて、撮影対象と近い星でアライメントして導入すれば1400mmでもバッチリは居ると思います。私はステラではないので使い方が違うかもしれませんが・・

また、いずれ何処かで雄姿を見させてください。

オフアキのガイド星を捉まえるには、ちょっと高いですがStarLightExpressのUltraStarがチップサイズも大きく感度も良いと思います。

投稿: GENTA | 2015年11月23日 (月) 21時53分

オヤジさん

コメントありがとうございます。
ご指摘の通りいろいろとシステムが変わることになって戸惑っております。(汗)
この3連休は撮影ができず悶々・・としておりますが本当に晴れてくれない&紅葉も今一つということでストレスがたまっております。12月こそはと神頼みです。

投稿: くろ | 2015年11月23日 (月) 22時50分

GENTAさん

コメントができておりませんでしたが、最優秀賞おめでとうございます。まさにその時!に、お隣で撮影できていただけてとても光栄に思っておりました。すぐにコメント・・と思いつつ、ブログに先走ってコメントするとお叱りを受けそうで、記事をアップされてから・・と思っているうちにタイミングを逃しておりました~。(汗)

そして、憧れのタカハシにたどり着きました。とてもアナログなつくりに驚きつつ、なじみつつ・・徐々に試してみたいと思っています。ガイドカメラはご推薦のモノはちょっと手が届かない価格帯?ですね。。
まずは親子亀で試してみたいと思っています。ガイドカメラバージョンアップするなら、惑星とかもとれるカラーとかで試したいのですが、感度とかの問題もありそうで、二兎を追う者は一兎をも得ずなのかと。でもできれば一石二鳥を狙いたいです。

投稿: くろ | 2015年11月23日 (月) 23時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 憧れの赤道儀 ~EM200 キター!:

« M77/78 秋のメシエ天体 at 今庄 | トップページ | 冬の散開星団 Vol.1 ~ M35,M41,M46,M47 »